満席と満卓が限りなく同じ人数になるように、
飲食店の人たちは工夫をします。
まず店作り。
1人、2人、3人と
すべてのお客様をもれなく格納しようと思えば、
カウンターが最適。
そうでなければ、大きなテーブルをどんと置いて、
相席前提で座ってもらうというのが
お店にとってはありがたい。
けれど、それではプライバシーが保てないから、
ファミリー客などには都合が悪い。
そこでどうしてもテーブル席を
用意しなくちゃいけなくなる。
2人席が一番効率がいいのですネ。
テーブルが動くようにしておけば、
3人来たらテーブルを2つくっつければいいワケで、
無駄になる席が少なくてすむ。
ただ、2人席ばかりになると
カップル向けのお店のように見えてしまうから、
ファミリーレストランのような店では4人席を作って、
家族連れでもウェルカムですよ‥‥、
というメッセージをお店にこめる。
1人客用のカウンター席。
ファミリー向けの大きなテーブル。
2人客用と、つなげれば4人以上のグループ客にも
対応できる可動式の2人がけテーブル。
それらをどのような割合でレイアウトするか。
それがチェーン本部の腕の見せどころ。
郊外の新興住宅地にお店を作るときには4人席を6割、
2人がけのテーブルを3割、残りをカウンター。
オフィス街のお店であれば
カウンターや大テーブルが4割ほどで、
2人がけが3割、
残りが4人席というのが黄金比だったりした。
そうすることで、満卓が限りなく
満席であるよう工夫したのです。
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