先週、「皆さんの食べ慣れた、あるいはなつかしい
玉子サンドのコトを教えてください」とお願いしました。
そしたらありがたいことに、
たくさんの方から返事をいただく。
日曜日の段階で頂戴した
「とっておきの玉子サンドのレシピ」の数が39。
そのひとつひとつを読んでいたら、
こんなにたくさんの玉子サンドがあるんだ‥‥、
ってビックリしました。
しかも玉子の状態とかパンの状態とか、
ボクの“こだわり”なんて
まだまだ大したことはないのかもなぁ‥‥、
って思い知らされるほどに多様で多彩な作り方。
どれもがおいしそうで、
全部作ってためしたくなる内容でした。
うれしくってしょうがなかったのが、
ボクが子供の頃に作ってた目玉焼きのサンドイッチを
作っていますよ‥‥、ってお返事が6通もあったこと。
それもみんなちょっとづつ違って、
どれもがなるほどって思わせる
個性的でおいしげな作り方。
例えば白身と黄身を潰して
カモフラ模様にした目玉焼きをつかったオープンサンド。
「カモフラ玉子」って単語を早速、
パソコンの辞書に登録しました。
目玉焼きにパルミジャーノをあわせたり、
厚切りトースト、あるいはサワードウブレッドに
のせてみたり。
焼く油もバターだったりオリーブオイルだったりと
とっても自由。
調味料もケチャップあり、中濃ソースあり。
バルセロナに住んでらっしゃる方は、
バルセロナのパンが日本の食パンに比べて小さめだから
目玉焼きのサンドイッチをよく作るようになりました‥‥、
なんて、サンドイッチの形や中身って
いろんな理由できまるんだなぁって感心しました。
サンドイッチ用に玉子を焼く‥‥、
といえば卵焼きと思い込んでいたら、
スクランブルエッグやオムレツを挟んで
サンドイッチを作るというご意見も多かった。
オムレツは中にくわえる具材で味や食感が変わるから、
自分のオキニイリをみつけるのが楽しいだろうなぁ。
バターを飲ませるように仕上げたオムレツ。
チーズを入れた半熟のオムレツを挟む、
っていう方もいらっしゃって、
さぞや口の中がとろとろとろける玉子で
なめらかになるんだろうって、
読んでるだけでウットリします。
中でもなるほど、こんな作り方があるんだ‥‥、
と感心したのが薄焼き卵を
幾層にも重ねて作ったサンドイッチ。
元料理人のお父さんが作ってらっしゃったという方の
思い出のサンドイッチ。
卵焼き1枚ごとにスプレッドを塗り込め作ったら、
ミルフィーユのような仕上がりになるんだろうなぁ‥‥。
手間をかける分、それはそれはおいしくなるに違いない。
これもいつか試してみようと
ボクのレシピブックにアイディア拝借。
ちなみに焼いた玉子で作るサンドイッチのお返事が19通。
ゆで卵を使って作るサンドイッチが20通。
ほぼ同数という結果。
おもしろかったのが、関西在住、
あるいは出身ですけれど玉子サンドは
茹でたまで作ります‥‥、という方が多くて、
「西は焼いたの、東は茹でたの」って、
最近言われる区別はあんまりないみたい。
焼いた玉子のサンドイッチにおいて
こだわりどころは「どう焼くか」。
一方、茹でた玉子でサンドイッチを作るときには
「どう加工するか」がこだわりどころ。
細かく刻む。
ざっくり刻む。
あるいは潰す。
中にはスライスしてパンに並べるって答えもあって、
たしかに茹でた玉子はその状態で食感がまるで異なる。
ボクは切らずに潰します。
しかも玉子の黄身と白身を別々にして、
白身は指で細かく潰す。
そこに塩と白胡椒を入れ、
よく混ぜパンに乗っけたところに黄身を潰して上に並べる。
白と黄色のコントラストが鮮やかに見えてキレイにできる。
同じように白身と黄身を別々にするって方が
何人もいらっしゃって、これまたスゴくうれしかった。
玉子と一緒に和える食材。
セロリがあったりレタスがあったり、
あるいはキュウリ、はたまたスライスオニオンと
これも自由でパンの状態や切り分け方まで
みなさんこだわり方がまるで違って、
メールの数だけ玉子のサンドイッチがあるというのが
ステキだなぁって思った次第。
お店の人では思いつかないアイディアがいくつもあって、
つくづく、玉子のサンドイッチって
究極のアマチュア料理なのかもしれないって
思いもしました。
玉子を使ったサンドイッチをチャートで分類してみました。
縦軸には、玉子の黄身と白身が別れたままで調理するか、
それとも渾然一体とさせて加熱するのか?という区別。
横軸は、加熱した玉子をそのまま使うか、
他の素材と混ぜて使うかという観点で分類するもの。
みなさんがお作りになる玉子サンドが
どこに分類されるのか‥‥、
って考えてみるのもちょっとたのしいかもしれません。
それにしてもポッテリとした茹でた
玉子のマヨネーズ和えをたっぷり挟んだサンドイッチ。
あれをスパッとキレイに切るのってむつかしい‥‥、
って思ったことってありませんか?
力を入れて切ろうとすると、
中身がドロンとはみ出しちゃう。
サンドイッチは断面うつくしくあってほしいから、
キレイに切り分けたいですよね‥‥。
どんなにたくさんフィリングを挟み込んでもはみださない。
とっておきの切り方を来週、お教えいたしましょう。
発行年月:2015.12
出版社:ぴあ
サイズ:19cm/205p
ISBN:978-4-8356-2869-1
著者:サカキシンイチロウ
価格:1,296円(税込)
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2017-08-31-THU