モデルのKanocoさんとほぼ日がコラボ。
あたらしいブランドを立ち上げます。
「Cacco」という名前は、
Kanocoさんがこどものころに
ご家族や友人から呼ばれていた愛称のこと。
Kanocoさんが好きなもの、好きなこと、
記憶のなかの宝物を、
少しずつていねいにかたちにしていきます。
第1弾は、Kanocoさんが大好きな
黒いリネンのワンピース、
ボーダーシャツ、
そしてガラスのイヤリング。
生活のたのしみ展で先行発売し、
ほぼ日ストアでは6月に販売予定の
これらのアイテムについて、
Kanocoさんにお話をうかがいました。
Cacco
Kanoco × Hobonichi
Cacco [ kʌ'ko ]
- ――
- ボーダーも、Kanocoさんの好きなもの。
- Kanoco
- ほかの柄はあんまり着ないんですよ。
水玉も好きですけど、そこまで頻度は高くなくて。
チェックもあまり着なくて。
なぜか、柄といえばボーダー。
このまっすぐさもすごく好きで。
- ――
- まっすぐな線。
あ、髪型、前髪もまっすぐですね。
- Kanoco
- はい。ふふふ。
「ボーダー、なんで好きなんだろう?」、
「いつからボーダー着てたのかな?」って
すごく考えたんですけど、思い出せなくて。
でも、じつは
大事なときに着てた記憶が残ってたんです。
昔、モデルになりたくて、1日だけ東京に来たんです。
その日、ボーダーを着てました。
5~6時間、スカウトを待って原宿を練り歩いたんですよ。
- ――
- 「これでスカウトされよう」って思ったわけですね。
勝負服っていうことですか。
- Kanoco
- そうですね(笑)。
決め過ぎたら、ちょっと浮いちゃうかもしれない。
でも、背の高さは出さなきゃ、って、
スキニー履いて、短いボーダーのトップスで。
ヒールに大きい赤いバッグを持っていた記憶があります。
- ――
- わあ、それはかわいいですね。
目に浮かびます。
- Kanoco
- ボーダーは、たくさん持っていて、
よく着てるんですけれど、
意外とむずかしいところがあるんですよね。
- ――
- バランスとか、ですか。
- Kanoco
- そうなんです。
ボーダーって、割と長いものが多いようで、
裾をアウトして着ようとすると、
「ボトムってどうしたらいいんだろう」って迷うんです。
だから私はいつもインしちゃってたんだけど、
アウトでも着たいですよね。
それが解決したら、
朝、悩まなくていいんじゃないかなって(笑)。
- ――
- 丈問題ですね。
ボーダーに合わせるといつも同じボトムスになっちゃう。
着丈を変えたら、ボトムスがもっと自由になる、と。
- Kanoco
- はい。
- ――
- このボーダーは、そこから始まったんですね。
やっぱり着丈が絶妙。
短めで、身幅にゆとりがあって、
スタイルがよく見える。
背が高い人が短いのを着てもカッコいいですよね。
逆に小さい人は、着丈によっては、
ボーダーばかりが目立ってしまうんですけれど、
これを着ると‥‥。
- Kanoco
- ちょうどいい。
- ――
- 色は3色つくりましたけど、
Kanocoさんが
一番つくりたかったのがこのブルー。
- Kanoco
- はい。これがいいんです。
濃いブルーのデニムが好きなんですけど、
この鮮やかな濃いブルーが、
相性がいいなって思ってて。
- ――
- この青を出すのも、結構がんばったんですよね。
- Kanoco
- ありがとうございます。
すっごくいいのができました。
大人っぽく着られるボーダーに。
- ――
- Kanocoさんはボーダーが大好きで、
すごくいっぱいお持ちなんですよね。
今回つくったボーダーは、
そんなボーダー好きのKanocoさんが
「もっとこうだったらいいのに」
と思ったことがかたちになっています。
理想のピッチ幅を実現するため、
生地もオリジナルで織りました。
- Kanoco
- そうなんです。
ピッチの幅が太すぎると、
カジュアルになりすぎますし、
裾や袖口のボーターがない部分を
どのくらいの面積にするかも
バランスが難しいんですよね。
ボーダーを大人っぽく着たくて‥‥。
ファニーにならずに、でもポジティブな印象で、
かつ、大人っぽく、クールに着たくて。
それをこの着丈の短さが
解決してくれるのではないかと思ったり。
- ――
- 襟ぐりのかたちもいいですよね。
- Kanoco
- ボーダーって、ボートネックがすごく多いですよね。
私、襟ぐりが広いボートネックがちょっと苦手で。
- ――
- 横に開きすぎちゃうんですよね。
- Kanoco
- そうなんです。
肩のあたりからインナーが見えちゃったり。
タンクトップを見せて着るとしても、色を考えちゃう。
- ――
- 気をつかわなくちゃならない。
- Kanoco
- だからインナーを気にしなくていいように、
ちょっと狭くしました。
ほんとにちょっとしたことなんですけど。
- ――
- 袖がちょっと長めで、短い着丈とのバランスが
すごくいいんですよね。
後ろのほうが裾が長いのも。
- Kanoco
- 前がけっこう短めなので、同じ長さにすると、
後ろが浮いちゃうような感じになるんですよ。
- ――
- 袖口と身ごろの裾に、無地部分が
ちょっと広めにあるっていうのも、
おしゃれポイント。
- Kanoco
- はい。抜けといいますか。
- ――
- 抜け感。
- Kanoco
- あまり言ったことがない言葉で(笑)。
- ――
- ふふふっ。
でもほんと、ここがあると違いますね。
たぶんKanocoさん、おうちで、
たくさんのボーダーをバーっと並べて、
これがこうで、みたいなことを。
- Kanoco
- そうですね(笑)。
- ――
- ピッチはこれで、襟ぐりはこう、みたいに、
そんな実験の日々だったんじゃないですか。
- Kanoco
- そうです。そうです。
- ――
- 短い丈で、このブルー、っていうのがまずあって、
スピンオフで、長い着丈のものと、
別色もつくることになりました。
シルエットはゆったり、ビッグなので、
丈の長いものは、男性の方にも着ていただける。
そして色は、ブルーに加えて赤と黒。
3色になりました。
- Kanoco
- 赤と黒は、白の割合を少なくして、
青のボーダーとは逆転させています。
- ――
- あ、白の分量でずいぶん変わりますね。
赤は元気な、生命力のある色です。
- Kanoco
- かわいいですねー。
ボーダーはポジティブなイメージなので、
それにぴったりですね。
- ――
- 逆に黒は、シックな雰囲気です。
- Kanoco
- いちばん大人っぽく着られるかなって思います。
ボーダーをあまり着たことがない人は、
最初、この黒がいいかもしれませんね。
- ――
- ボーダーって、古い映画の女優さんのスタイルだったり、
ちょっと懐かしいようなイメージもありますよね。
時代を超えた「かわいい」があるような。
ベーシックとも言えるような存在ですよね。
- Kanoco
- そうですね。
私自身、新しいものをすぐ取り入れるというより、
やっぱり昔から愛されていたものが好きです。
(つづきます)