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しばらくテレビの中で
やらせ問題が騒がれたり、
最近もNHKのドキュメンタリーに関して
いろいろ言われていますけれども、
「テレビがものすごく疑われている」とか、
「人は騙されたくないと感じている」とか
そういうことを思うんです。
そんななかで生放送をする時に、
誠実っていうことを考えるんですよ。
とりあえずのキーワードが「誠実」だと思うんです。
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糸井 |
誠実って、具体的な言葉に直すと、
「情報開示」ってことになりますよね。
それをせざるをえないところまではきていて、
誠実を表現として、
胸をぐっとはりだしてしまうと、
うそくさくなってしまうわけで・・・。
テレビで育った人が
誠実になるための訓練は
できていないだろうから、
毎日、エイエイオー、じゃないけど、
やっていく積み重ねを踏むことが
必要になるんでしょうねぇ。
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T |
いまの地上波の中では難しい話で、
いまなら、ぼくが一生懸命はなしているって、
見ている人はわかるじゃないですか。
「そうとう一杯一杯でしゃべってる」って。
4111人のCS加入者の中の
何人かは知らないけど、誰かが見ている。
それで、次の日に、
「昨日テレビで
Tがイトイさんと話していたんだけれども
一杯一杯だったけど、
でもあいつ、がんばっていたぜ」
とお客さんが言ってくれていたとしたら
それなんじゃないかと思うんですよ。
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糸井 |
それですよねぇ。
なんか、光りの方向が見えたみたいよ、
っていうところに、やっぱり興味を感じますね。
一杯一杯っていうのは、
ぼくもやってきたと思うんですよ。
ぼくも一杯一杯でやってきて、
でたらめな方向に一杯一杯というのと、
あっちににおいがあるよね、っていう方に
一杯一杯なのとは、全然違うから。
ぼくは他人を見ている時にそう思うけど、
そっちに行くとまちがうから二度としないとか、
そういうことで、ぜんぜん違うじゃないですか。
はずれてもいいという
やけっぱちじゃない一杯一杯さが・・・。
「いつでも退けるよ」
という感じではない一杯一杯感とでも言うか。
ぼくも一杯一杯です。
わかんないことばっかりですよ。
ふつうに知らない人として見ると
こうですよ、という姿勢が、
何度も考えを揺り戻しますよね。
批判するためにものを見ている人っていうのは、
あんまり意味がないと思うので、
なるべく「要らないんじゃないか」とか
「お前がやってることって、何なわけ?」
とか、言おうとするんです。そのほうが、
「・・・でも、要るんだ!」
と言うふんばりが効くと思うんですよ。
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T |
イトイさんは、この「ほぼ日」を
もう4年やられてきていますが、
それは、何なんですか?
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糸井 |
なんかその向こうが
みんなの行く方向だ、っていうことが
俺のほうが
ちょっとわかるような気がした、っていう。
そっちに行かないと、
「せーの」で溺れる人になるのは、
生き物としてつまんないですよね。
どっちの岸に辿り着くの?っていうとこでも、
泳ぐ方向を知った上で泳ぎたいですよね。
それが、ちょっと違ったと言いながらも
「ほらね、ここまでは来た」と、
うしろを向きながら泳ぎ途中で息をついてみたり。
そうやって、泳ぐこと自体を楽しみながら
どこかに辿り着きたい、という。
ネガティブでやっていく時代は終わって、
「見えるぞ!」と言いたいんです。
実はそういう仲間があちこちに
ぽかぽかぽかぽかいるっていうか。
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T |
体感できる感じがあるっていうか。
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糸井 |
ありますね。
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T |
泳いでる方向が。
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糸井 |
少なくとも、
いまぼくが話しているようなことって
5年前に言うと、なんか
ホラ吹いているように思えたんですよ。
Tさんが、さっき、使いにくそうに
誠実という言葉を使ったけども、
いまは、使えるところまでは来ている。
これを更に、ユーモアを入れながら
はなせるようになったとしたら、いいですよね。
その遊びをしていること自体によろこべる。
冒険自体によろこべるというのは、
やっていて、実感できるんじゃないでしょうか。
なんか違う、っていう時には、
かならず、ツケがまわってきますからねぇ。
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T |
いま電波少年的放送局は
3か月弱なんですが、これが将来、
ほんとうに、どうなるんだろうなぁ、と。
CS今日は45人増えたというリターンの中で
やっているリズムは、とりあえずはおもしろいです。
二十何年やってきた地上波のリズムとは
ぜんぜん違うものですから。
とにかく一年やってみて、
勝手に手をあげてやっているから
手をさげるというのも勝手だと
会社には言っているんですが。
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糸井 |
一年っていうサイクルって、
何かをやる時には、そうとう短いですよ。
何にもできなかったぐらい思えるぐらいに、短い。
ぼくはほぼ日をやる時に、
3年後に3万人の人がいる、
っていうイメージに、自信を持てたんですよね。
社員もアルバイト程度しかいない頃から
はじめたけれど。
「根拠ないけど、なるんだよ」
と思ってやっていたんですけど、やっぱり、
確かにどこかで「ほんとかよ?」はあった。
根拠をしめせていないから。
でもわかるみたいなの、あるよね。
今のCSが4000人。
はじめて数か月って、ゼロなんですよ。
道ができたぐらいなものだと思う。
3年我慢させるほど、会社は
この事業をやらせてくれないですよね?
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T |
いや、たぶんこのペースでいくと、
だいじょうぶですよね。
でも、できるかどうか、
自分の体力には自信がないですよね。
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糸井 |
それは、するんだったら、
しなきゃだめなんじゃないですかね。
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T |
案外、1年後に、
「いま2万まできたんだから」
とか言ってるかもしれないですが。
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糸井 |
この放送局と何かを足して
なんかになってるかもしれないし、
足したものが大きくなるかもしれないし。
いまTさんがこれを
「投げにくくなってる」
感じは、わかりますよ。
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T |
まぁ、当面はやってみますので、
また見て下さい、ということで。
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糸井 |
はい。
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T |
じゃ、次のゲストのかたが
もういらっしゃってるんじゃないかと。
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糸井 |
うん、そうだね。
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