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5年くらい前に、
エジソンのことばについて
書かれた記事を読んだことがあるんですよ。
ぼくはその切り抜きを
いまだに持ってるんだけど。
あの、エジソンの有名な言葉で
「発明とは、99パーセントの努力と
1パーセントの閃きである」
っていうのがあるじゃないですか。 |
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日本人はそれを誤解している、
っていうんです。
どういうことかというと、
日本人はあのことばを、
「努力が大事なんだ」というところに
力点を置いて理解している。
ところがそうじゃなくて、
「新しいものというのは、
1パーセントの閃きがなかったら
99パーセントの努力は
なんの意味もない」と。 |
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最初の閃きが大事で、閃いたら、
その後を形にするのは
99パーセントの努力が要るんだけど、
努力したからって、
1パーセントの閃きがなかったら
なんの意味もない。 |
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ずーっと素振りして試合しない人、
みたいになっちゃいますよね。 |
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「後は99パーセント努力すれば、
最初の1パーセントがいいんだから
うまく行くはずだ」
と思い込まなきゃやってられない、
というのもあるんだろうけど。 |
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うん。まったく、そうですよね。
逆に、その1パーセントがないのに
努力できる、というのは怖いですね。 |
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それが、農耕民族だったという
我々のDNAじゃないですか。
基本的に「努力」「一生懸命」でしょ。
一箇所を掘り続けるという。 |
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ぼくは農業の人たちとの
つき合いがあるからわかるんだけど、
やっぱり、いい農家は
閃きを持っていますよね。 |
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何かの奴隷みたいになっちゃうと、
閃きが要らなくなっちゃう。
ルーティンワークを何時間こなしたから、
いくらもらえる、みたいなことで。
農家の人たちって、
石の拾い方ひとつにしたって、
「そんなことしてたら、
お前、1日かかっちゃうよぉ、
こうするんだよ!」
というのを持っているじゃないですか。
それは親の代から受け継いだこともあるし、
自分で考えたこともある。
そうじゃないと
農家はやってられないと思うんですよね。 |
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その意味ではすごいですよ。
一見、ルーティンに見える
いままでの古い人たちのやってきたことが、
閃きの集合だったりしますから。 |
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歌もそうじゃないですか。
ぼくらが当時夢中になっていた
歌手だとかバンドの人たちで
いまも生き残っているのは
努力だけじゃなくて、
閃きやイメージを持っている人だけですよね。
「お前に何があるんだ」
と言われたときに、
努力だけじゃない何かを持っているコは、
死なないんですよね。
売れるために全部やりましたというコは、
生き残れないんですよね。 |
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丸山さんがいまやれているのは、
自分ひとりでひらめいた
イメージがあるからなんですよ、きっと。
それはもう、「詩」みたいなものですよ。 |
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だから、やっぱり丸山さんは
市場よりも作り手というか
生産者の地図を見てますよね。
努力のほうよりも
閃きのほうに興味が向かうんですよね。 |
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どちらかというとそうだよね。
そもそも音楽の世界では
「ヒットしたから買う」という
ユーザーがほとんどだし、
本当に音楽が好きで
新しいものを見つけることが好きだという人は
もともとそんなに数多くないと思うんですよ。
でも、数が多くないとしても、
そういう「新しいものを求める人たち」に
新しい音楽が伝わって、
その人たちが「いい」と言いはじめると、
きちんとまわりに広がっていくんですよ。
だから、どうしても、真ん中にいる
「数少ない人」を固める必要があるんです。
やむを得ずサラリーマンになっている
元ミュージシャンというのは
たくさんいるじゃないですか。
自分じゃできなかったけど、
「あいつは、なかなかいいタイコ叩くよな」とか
「あいつはなかなかいいベースだ」とか、
そういうふうに音楽を聴いているファンというのが、
たくさんいることをぼくは知っているんです。
だから、そういう連中が、
「あそこの音楽はけっこうおもしろいよね」
と言ってくれるのを待っているというのがいまだし、
そうやって、ぼくらが発信する音楽が
まわりに広がっていくのを願ってますね。 |
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うん。応援してます。
きっと、いろいろ難しいことはあるんでしょうけど、
丸山さんがそういうことを思い続けていれば、
だいたい誰かが手伝ってくれて、
丸山さんは機嫌よく馬鹿笑いして
いられるような気がするんですよ。
「よくわからねえんだよ、アハハハハ!」って。 |
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(おわり) |
2006-07-26-WED |
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