ウィンブルドン選手権は、名前のとおり南ロンドンの ウィンブルドンという町で今まさに開催されている。
私がウィンブルドン選手権を観に行ったのは過去に1回きりで、 2000年のアンドレ・アガシ対ジェローム・ゴルマードの センターコートでの試合だった。
頑張って手に入れたチケットだったが、 あまりテニスに詳しくない私は、 アガシの名前こそ知っていたものの 対戦相手のゴルマードについては全くの勉強不足で、 試合開始前は向かいの席に座っていた 俳優のトム・クルーズがむしろ気になっていた。(失礼な話である)
それでも試合が始まってからは、 コートに響くテニスボールの弾ける音と選手の息づかい、 固唾をのんで見守る客席の緊張感にすぐひき込まれた。 そしてアガシは、ゴルマードのボールを鮮やかに次々とはね返し、 彼を右へ左へと容赦なく走らせた。
ウィンブルドン選手権の会場は、 センターコート以外にもテニスコートはいくつもあって、 連日、大勢の選手が試合に臨んでいる。 けれども、実際のところ、 イギリスのTVやラジオでじっくり中継されるのは どうしても歴史あるセンターコートが中心となっている。
ゴルマードもセンターコートにのしあがってきたほどだから、 相当優れた選手に違いなかった。 けれども、アガシはまるで赤子の手をひねるように 彼に勝利してしまったのだ。アガシの強さは圧倒的だった。
今日ロンドン市内でアフタヌーンティーを注文したら、 こんなケーキが運ばれてきて13年前のあの日を思い出した。 試合は今週日曜が最終日。そのあと、イギリスは本格的な夏を迎える。