気仙沼のほぼ日便り

11月になって本格的に寒さが増してきました。
ツリーハウスチームは、
山の上での外の作業なので、
かなり寒い思いをしていると思いますが、
現場のみなさんの顔はイキイキとしてますよ。

ところで先日、
私は七福神舞を体験してきました。
七福神舞というのは、七福神に扮した格好で、
航海安全や大漁祈願を願って披露される踊りのことです。
日本各地にさまざまな七福神舞があるそうですが、
私が体験したのは、気仙沼市唐桑町の
神止(かどまり)という地区の
女性だけで行われる「神止七福神舞」です。

これは、ダンスのNPO団体
JCDN(Japan Contemporary Dance Network)
が企画している「習いに行くぜ! 東北へ」という活動の一環で、
今回はいつもお世話になっている
気楽会」とのコラボレーション企画でもあったので、
私も参加してみました。

私は、頭の長い福禄寿の舞を習いました。
舞はおぼつかないものの、
頭のかぶりものをさせていただいたおかげで、
いちおう格好だけは、福禄寿っぽく見えた気がします。

なによりも、見ている人を愉快でおめでたい気持ちに
させることが重要です。 
それぞれの神様の特徴に合わせた舞があるので、
先生から「もっと頭を振りながら!」
と指導をいただきました。

今回ご指導くださったみなさんは、
キャリア60年以上のベテラン。
そもそもは、当時10代だった奥様方が
この地域の「素人演芸大会」で七福神舞にチャレンジし、
見事優勝したのがはじまりでした。
めずらしい女性だけの七福神舞と、
そのおめでたい雰囲気は噂をよび、
全国各地からオファーを受けるまでになりました。
忙しいときには、年間90回くらい
舞台に立っていたそうです。
この話をしてくださる、会長さんからは、
場数をこなしてきたオーラがでてるみたいでした。
「初めてのことにチャレンジしたこと」と、
「ずっと続けてきたこと」が合わさった
かっこよさにかなうものは無いなぁと思いました。

神止七福神舞も、やはり今は後継者不足が深刻だそうですが、
こういった伝統芸能における
「伝える人がいない」問題は各地にあるようです。
さすがに、私、後継者になります!
などと無責任なことは言えませんが‥‥。
七福神舞のことを教えてもらえて良かったし、
舞を続けてきたみなさんのすごさを知れて良かったです。

先日、東京のほぼ日から
の2名が
気仙沼入りしました。
それは、われらが斉吉商店の和枝さんと、
アンカーコーヒーでおなじみ、紀子さんの二人を
取材するためです!

内容は「漁師カレンダー」について。
漁師の仕事、生き方から、
日本と海外の漁業の違いなど、
私も普段なかなか聞けないお話を
うかがうことができました。
そもそもなんで漁師カレンダーなのか、
というのは、和枝さん、紀子さん、私で、
一緒に新幹線に乗ったとき、
「漁師のかっこよさを伝えたい!」
という話が出たからでした。
あの時は、和枝さんの言葉を借りれば
「モォ〜モォ〜となって」
(大興奮して、という意味合いです)
漁師のかっこよさを語り合い、
とにかく大盛り上がりして、
カレンダー作ろう!となったんです。
詳しくは、近いうちにコンテンツで紹介される予定なので、
私も楽しみに待っています。

この日、カレンダーの
サンプルを見せていただいたのですが、
「気仙沼には、こんな男達がいるんだぜ」と、
誇らしい気持ちになりました!
気になる方は、ぜひこちら
チェックしてくださいね。
カレンダーの予約もできますよ〜!

気仙沼のほぼ日は11月1日で2周年です!
記念のテキスト中継をすることになったので、
それ用にイラストを書いていましたが、
うまくいかず、1枚目は途中でボツとなりました。
結局パソコンで書いたのを使いました。
全体図はテキスト中継のページに載っています。
たいしたものではありませんが、
よかったら見てください。

この2年間で、
大きなコンテンツとしては、
気仙沼さんま寄席
甘くて楽しいあんこのワークショップ。
気仙沼においでよ。矢野顕子の音楽の稽古場
ミナ ペルホネンのはぎれで作る パッチワークワークショップ。
うまけりゃうれるべ市。
第2回気仙沼さんま寄席
ということをやってきました。
こうやって、まとめてみると、
なんだか嬉しいです。
細かいできごと、イベントで言えば、
もっといろいろあるので、
しみじみしそうになりますが、
たった2年でしみじみしてはいけないと、
自分に言い聞かせようと思います。

私は気仙沼に来てから1年半になりましたが、
正直に言うと、最近ようやく自分が
気仙沼にいるんだなぁと思えるように
なってきました。
時が経ったというのが大きい理由ですが、
上に書いたようないろんなことを、
気仙沼の人たちと一緒にやってきて、
今はここが自分の場所なんだと、
思うようになりました。

当初2年という期間を設けて、
気仙沼のほぼ日を続けよう、
と話していたのですが、
少し前に、さらにまた2年先まで
気仙沼のほぼ日を続けていく事が決まりました。
それを聞いて、ほっとしました。
私もあと2年は、気仙沼のほぼ日の仕事ができるからです。

気仙沼が、全国から人がたくさんくるような、
楽しい街になったらなぁと、
いつも思っています。
そのために、やることはたくさんあると思います。
節目のたびに決意を新たにするのですが、
毎回結局「もっとがんばろう」ということになります。
それはやっぱり、
気仙沼のがんばっている人を、
近くで見ているからかもしれません。

ではでは、11月1日は、
いろんなことがある予定ですから、
ぜひ、テキスト中継もご覧ください!

台風26号が過ぎ去った気仙沼は、
空気が澄んで太陽の光が美しく輝いていました。

震災で地盤沈下がおきているので、
ただでさえ冠水することが多い気仙沼です。
大型台風がくるという予報を聞いて、
事務所も浸水してしまうのではないかと
心配していましたが、
結果、浸水には至りませんでした。

風が収まった後、街に出てみたら、
車通りは少なく感じたものの、
内湾には台風で避難してきた
漁船でいっぱいになっていました。
どこのお店も漁船員さんたちで
大賑わいだったようです。
これも港町ならではの光景ですね。

冠水はどうだったかなと思って街を見渡すと、
やっぱり、至る所が
湖のようになっていました。
でもこれは、大雨や満潮などによっても
よく起こるので、
見慣れた光景になってしまいました。

道路はかさ上げされているので、
車で通ることができますが、
低くなった土地にまた建物を建てるには、
土盛りをしなければ使う事ができません。

今年の2月に「気仙沼の今の様子」を
まとめたものがあります。
2013年2月の気仙沼ー階上、岩井崎編ー
2013年2月の気仙沼ー鹿折、南町、南気仙沼編ー
です。
あらためて振り返ってみると、
‥‥見た目はあんまり
変わらないような気もしますが、
ほんの少しずつ変わっています。

街に住む「人」のほうは、
今がチャンスと、次々に新しいことを始めています。
それを強く感じたのは、
さんま寄席の朝、気仙沼魚市場で行われた
市場で朝めし。」です。
8000人の来場者で賑わったイベントを成功させた
実行委員のみなさんには、
イベントの実現までに、
そうとうな大変なことが沢山あったのですが、
そういうときはいつも、震災を引き合いに出して、
「わたしたちは、あんな時があったんだから!
もう、なんでもできるよ」と、
笑いながら言っていました。
不安が漂う空気もぱっと消えて、
力がわいてくるような、
とても頼もしい言葉でした。

「これからの被災地域には、
良い事しか起こらないんだ」と言いながら
がんばっている人たちと一緒にいると、
小さな悩みはどうでもよくなりますね。

郵便局にて、巨大なサンマを見かけました。
この時期、贈答用のサンマギフトが、
郵便局で販売されているので、
こういった目立つディスプレイがあるんですね。
毎年飾っているのかもしれませんが
七輪でいい感じに焼かれているサンマ
(もちろん、本物じゃありません)も
おいしそうです。

秋の味覚と言えば、
じつは気仙沼のある地域では、
松茸がとれるそうです。
聞いた時は、
それってほんの一部だけなんだろうなと
遠い話のように思っていたんですが、
地元のJAでさりげなく
販売されているではありませんか。
値段も2500〜4000円と、お手頃です。
秋っていいですね。

そしてもう一つ、
秋の一大行事、目黒のさんま祭
打ち上げに参加しました。
さんま祭が終わってから、
一ヶ月も経っていませんが、
もう懐かしいような気持ちです。

打ち上げの最後には、
全員が肩を組み、
輪になって「おいらの船は300とん」
という歌を熱唱しました。
目黒のさんま祭の
テーマソングのようになっていて、
交流会や打ち上げでは必ず歌われます。
歌詞の最後をすこし替えて、
「明日は故郷の、気仙沼ー!」
と歌うのがポイントです。
肩を組んで歌うのは
ちょっと恥ずかしかったりもしましたが、
私はこの時、気仙沼の人たちの
輪の一部になれてうれしかったです。

さんま寄席市場で朝めし。終了しました!
先週土日に終わってから、
時間が経ってしまったんですけど、
寄席関連の荷物であふれかえっていた
気仙沼のほぼ日事務所もすっかり片付いたので、
無事終了のご報告でした。
当日の様子は、ぜひこちらの
テキスト中継をご覧ください。

当日、私は車を運転していることが多くて、
なかなか写真を撮れず、
携帯からは、投稿できなかったサンマと

写真が出てきました。
せっかくの笑顔なのに、テキスト中継で
紹介できなくてスミマセン。

じつは、もう一つ
紹介できなかったことがありまして、
それは、9月26日、
陸前高田市気仙町「奇跡の一本松」のある、
高田松原のあたりに、八木澤商店さんの
一本松店がオープンしていたことなのでした!
さんま寄席の「マンボウコース」ツアーの
皆さんは、こちらに立ち寄られたそうです。

このお店は、ソフトクリームやコーヒーを
注文することができます。
いずれ、醤油・味噌のスイーツを
食べられるようになるとか。
楽しみだな〜。

もちろん、八木澤商店さんの醤油や味噌など
いつもの商品も購入できます。

寄席が終わって寂しい気持ちでしたが、
これからはツリーハウス計画も本格化します。
それにもうすぐ、11月1日は、
気仙沼のほぼ日2周年だ!

額装された、大きなものが事務所に届きました!

「子ども新聞」と書かれた、大きな新聞です。
こちらは東海地方の小学6年生のこどもたちが
「子ども記者」となって、取材・編集を行った新聞で、
この紙面の制作にあたり、
今年の夏は岩手県の遠野、大船渡をまわり、
気仙沼にも取材に訪れたとのこと。

そこに暮らす人々のことが伝えられていて、
被災地としてだけでない、
地域のようすが分かる内容になっています。

じつはこちら、気仙沼のほぼ日のことも
取材をしていただきました。
取材時、記者のみなさんから
真剣でまっすぐなまなざしを向けられて、
私も大変緊張しました‥‥。
ちゃんと説明できたか不安でしたが、
「気仙沼の未来を熱心に語る」
と私のことをご紹介していただいて、
ちょっとうれしはずかしです。
記者のみなさん、取材をありがとうございました!

こちらは、冊子になったものが
東海地域の小学校に配られたそうです。
こどもたちに見られると思うと、
しゃきっと姿勢が正されます。

「心は12歳」を公言している私ですが、
見た目は大人! 頭脳はこども!
などとふざけてばかりおらずに
がんばらなければと思いました。

今週末はさんま寄席
準備も佳境をむかえております。

ツアーに参加されるみなさんに
お伝えしたくてうずうずしているのが、
先日、準備をしたあるものについてです。
準備中、終始笑いがとまらず、
とにかくすごかった、という「お楽しみ」を
バスの移動中にも用意することができました。
これはほんとうに、お楽しみに! です。

ところで、今回フリーチケットでお越しのみなさん、
いろいろとオリジナルの旅程を
考えていらっしゃるかと思いますが、
気仙沼は宮城ですが、
岩手との県境にありますので、
ちょっとおすすめの岩手のスポットを
ご紹介したいと思います!
県庁所在地の盛岡市、
あまちゃんの聖地久慈市、
も、もちろんおすすめがたくさんありますが、
わりと気仙沼からも近い
奥州市、水沢市、北上市からのご紹介です。
お近くまで足を伸ばされるときにはぜひ!
また、今回は良いお店に
私独自の★をつける「サユミシュラン制度」を
導入していますが、独断と偏見によるものですので、
これもご参考までに‥‥。

・おすすめ(1)奥州市江刺区:ミズサキノート
奥州市の名産「江刺リンゴ」がとれる
及川りんご園に併設するカフェです。
なんといってもおすすめはリンゴジュース。
私は3種のみくらべセットを注文しました。
リンゴによって味が全然違うのが驚きでした。
ジュースのほか、焼き菓子、雑貨も取り扱っていて、
窓の外に広がるリンゴ畑をながめながら、
ゆっくりした時間が過ごせます。
ただし、木・金・土(10時〜17時)
のみのオープンです。
<リンゴジュースの味が新鮮すぎる度★★★★★>

・おすすめ(2)花巻市石鳥谷町:サトウ雑貨店
こぎん刺しグッズ、こけし雑貨、伝統工芸品の鳩笛‥‥など
店主のサトウさんが選んだ雑貨が
ところせましと並べられています。
私は鳩笛と白鳥のブローチを買いました。
先にご紹介したミズサキノートさんが主催で、
サトウ雑貨店さんも出店する
りんごのおまつり」というイベントもあるそうで、
こちらは、収穫されたばかりのリンゴを食べながら
手作りの雑貨作家さんの出店する作品を購入できる
おまつりなんだそうです。
かわいいものの好きな方にはこちらもおすすめです。
こちらも、営業時間は、水・木・金・土(10時〜16時)
となっております。
<手作り雑貨好きにおすすめ度★★★★★>

・おすすめ(3)岩手県北上市:フェアリーテール
岩手のチーズケーキ食べ歩きが趣味という方が、
「岩手で一番好き」とおすすめされたのが、
こちらのチーズケーキ専門店です。
チーズケーキはかなりの種類があります。
完売することも多いので、
お目当てのケーキが残っていたらラッキーです。
一口にチーズケーキといっても、レアタイプから
ベイクドタイプまでいろいろで、
どのケーキも違った味わいですが、
どれもしっかりチーズのコクがあります。
水・木が定休日。営業時間は10時〜19時。
<また買いたい度★★★★★>

・おすすめ(3)奥州市水沢区:田んぼアート
どどーん、見ての通り、名前のとおり、
田んぼの作物を使って絵を描く
田んぼアートです。
ちゃんと見晴らし用のやぐらの上から見たときに、
いちばんキレイに見えるようにできているんですよ。
晴れていればいつでもみられます。
<まちおこしの努力の成果を感じられる度★★★★>

ほんとはもっと沢山あるのですが、
またいろいろご紹介していきたいと思います。
遠方から気仙沼にお越しのみなさんには、
ぜひ岩手や、東北各地も回ってもらえたらと思います。

去る9月15日(日)、目黒のさんま祭
大成功のうちに終了することができました。
テキスト中継でもお伝えした通りですが、
接近する台風の影響で
15日の早朝に目黒に到着したとき、
会場は大雨に見舞われていました。
今までも、台風の中
開催したことはあったそうですが、
会場についてみたら、
「こんなに雨が強いのは初めてだ」と
みんなが言うので、
これはさすがに中止になるんじゃないかと、
うすうす思っていました。

でも! なんと、会場には、
滝のような雨にうたれながら、
上下のレインスーツを着て、
何百人かのお客さんが、
列をなして並んでいてくれたのです!
‥‥信じられませんでした。

この姿を見て、さんま祭実行委員会が下したのは
「できるところまでやろう」
という、開催の決断でした。
あとあと、聞いた話によると
「10回以上さんま祭を経験してるから、
『ここまでならできるし、そこから先は
その都度考えよう』と思えた」
のだそうです。
もしもの時はすぐに片付けられるようにしつつ、
まずは午前中で何匹を焼く、
追加で何匹を焼く、と計画的に見通して、
時間ごとに数を追加をしていきました。

そして信じられないほど、午後から天気が回復し、
太陽が顔を出すほどに!
わーいわーい。
立川志の輔師匠と
サンマの焼き手として登場しました。
実はお二人とも今回が2回目ですので、
すっかり焼き隊になじんでいました。

さんま祭は、大成功と呼べるものになった、と、
打ち上げは例年以上に
大きく盛り上がりました。
目黒区民、気仙沼市民、区長と市長も、
全員が肩を組んで歌を歌います。
最後は万歳!
打ち上げが終わってすぐ、
目黒のみなさんに見送られながら、
気仙沼メンバーは、
またさっそうとバスで帰っていきました。

さんま祭実行委員会のみなさんは、
さんま寄席が開催される29日(日)朝の
市場で朝めし。」のサンマ焼き&すり身汁作りに
参加していただくことになっています。

別れ際に、
「サユミちゃん、次は寄席だね、がんばろう!」
「29日はよろしくおねがいします」
と、声をかけていただきました。
気仙沼のみなさんが、
「一緒に寄席を成功させよう」と
思ってくれているのが、とても嬉しかったです。

あーほんとに、もうすぐだ。
こんなに気仙沼のみんなで一緒にがんばろう!
ということはなかなかないので、
近づいてくるのは緊張するけど、
寄席が終わってしまうのは寂しいような、
そんな気持ちですこしセンチメンタルです。

まだかまだかと首をなが〜くして、
気仙沼のみんなが待ちわびていた、
今シーズンのサンマ、
9月11日に初水揚げとなりました!
すんごくキラキラしてます。
新鮮なサンマは、目がきれいで、
口先が黄色いんだそうです。

サンマがなくっちゃ始まらない、
目黒のさんま祭」もいよいよ今週末です。
さんま祭実行委員会の打ち合わせでは、
当日の注意事項などを、
各担当ごとに確認しました。

今回、ほぼ日からも、
の二人が、
焼きスタッフとして参加します。
ちなみに、私は「すり身汁」班です。
ふわふわのサンマのすり身汁を
2000杯以上作るんですよ。
焼きサンマだけでなく、
すり身汁も楽しんで下さいね。

打ち合わせの最後は、
さんま祭でいつも歌われる、
気仙沼の大漁祝い唄、
「どや節」の練習でしめました!
エーエ〜エ〜ヨーイドコラサ、
とみんなで歌って
これで準備は、ばっちりだと思います。

※サンマの写真は、
港のスズメさん便りに投稿いただいている
kazueさんからいただきました。
ちなみに、kazueさんも、
さんま祭でサンマを焼くんですよ!