MITTANの服には
流行を牽引するようなデザイン性や、
強い主張はありません。
アトリエからは年に二度の新作発表がありますが、
シーズンごとにテーマを打ちだすことはなく、
プリントやロゴに頼ることもありません。
MITTANは、以前の服と合わせても違和感のない、
もちろんはじめて袖を通す人にもすっとなじむ、
着るひとの個性が最大限に出るような、
そんな服づくりをつづけているんです。
一枚の布をまとうことが服の原点ならば、
まさしくそこに立ち返るのがMITTAN。
さまざまな気候のなかで、体温や湿度を調整し、
肌にやさしく、無理なく着られ、動きやすく──。
そのための「よい布」選びと生地づくりは、
MITTANにとって大切なプロセスです。
近くで見たときの、
天然繊維ゆえの細部のニュアンスは、
ぜひ、手にとって感じていただきたいことのひとつです。
そして、全体のシルエットのうつくしさ。
MITTANの服のかたちは、
日本やアジアをはじめ、世界のあちこちで
長く培われてきた民族衣裳に通じる、
「一枚の布を、身体に合わせる」つくりかたです。
基本的には平面の、けれども独特のパターンは、
西洋ふうの立体裁断とはことなる、
「その人らしさ」を感じさせる一枚になります。
そんなMITTANの今シーズンのアイテムを、
「ほぼ日」が選びました。
ぜひ、ごらんください。
販売開始は、2025年12月4日(木)AM11時です。
MITTANは、京都に拠点を置く
2013年創業のアパレルブランド。
主宰でデザイナーの三谷武(みたに・たけし)さんを
中心にしたチームがアトリエに集まり、
世界のあちこちに遺っている衣服や生地を
歴史から掘り起こし、研究し、
「あたらしい民族服」を目指して、
現代に反映させ服づくりを行なっています。
民族服、といっても、
とくべつにエキゾチックな印象はありません。
ゆったりと軽い着心地でありながら、
自然にからだにそって“その人らしく”なる、
男女共に似合う、かっこいい服なんです。
MITTANが使う生地は、
日本各地のほかインド、ラオス、中国など、
主にアジア圏でつくられた布。
縫製にもちいる糸は綿、絹、
ボタンなどは貝、真鍮といった天然素材です。
糸、布、染め、縫製のすべてに気を配り、
腕のよい職人さんが日本国内で縫いあげています。
長く着用して擦り切れたり破れたり、
また色が褪せたりしたアイテムは、
修繕や染め直しも受け付けています。
2023年11月には京都市左京区に直営店をオープン。
そこでは、公式に買い取った
“着なくなったMITTANの服”を
必要に応じて修繕や染め直しをして、
クリーニングを行なった
1点ものの製品の販売も行なっています。
MITTAN 直営店
京都府京都市左京区田中里ノ前町87-1 未生会館別館2F
木・金の13:00~17:00、土10:00~17:00オープン。
不定休のため、くわしい情報はウェブサイトでどうぞ。
1981年生まれ。
高等専門学校でコンピュータプログラムを学び、
SEへの道を志していたなか、
ファッション雑誌で見た
モードの世界に魅かれて進路を変更、
文化服装学院アパレルデザイン科へ進む。
ハイブランド、ハイファッションに夢中になるいっぽうで、
ファッションで巨額の資金が動く生産の背景に
不当な労働を強いられている人々の存在を知り、
「そうじゃないものづくりを」と、
長く着られ、引き継がれる
「現代の民族服」をと考えるように。
アパレル2社の勤務ののち、
1年半ほどの準備期間を経て
2013年にMITTANを立ち上げる。
生地は遠州、播州、尾州といった
日本各地の機械織りの産地をはじめ、
インド、ラオスといった
アジア圏の手織りのものを主に使用。
可能な限り自ら直接機場に赴き、
独自の素材開発にも取り組んでいる。