妖精大決戦。
001ミュウゼさんとなかまたち。 002心を描いています。 003人間が描けなくなった。 004ミュウゼさんと祖父江さん。
005ミュウゼさんと南さん。 006この絵を持ってきてくれて。 007前世と来世。 008


糸井 今日はギャルを囲む会です。
ハッハッハッハッ。
ミュウゼ ギャルじゃないです、おとなの女です。

(↑この言葉の音声を聞いてみたい人は、再生ボタンを押してみてね)
糸井 4人で座談会をする予定ですが、
祖父江さんはすでに
遅刻をするという
宣言があったそうです。
ミュウゼ ああ、いつもの「祖父江時間」ですね。
じゃ、いましか言えないことを
言っておきましょう。
「祖父江!」「おい」「この野郎!」
なーんて。

ハッハッハッハ。

糸井 では、ここに4人が集うことになった
なれそめから
ゆっくりお話ししていきましょうか。
まずはぼくが
すごい絵を描く人がいると
糸井さんに伝えて。
糸井 それがえつこミュウゼさん。
何度かお会いして、
「ギャルが来たな」と言うと、その都度
「ギャルじゃありません、おとなの女です」
ハッハッハッハ。
糸井 ということを、ま、会話しながら
今日までやってまいりました。
さまざまな作品を集めたミュウゼさんの
スケッチブックを拝見しますとですね、
これは我が社で──といっても
小さなスペースですが──、
展覧会をやったらどうか、
ということになりまして。
ああ、いいじゃない。
いいじゃないですか。

糸井 あ、南さん、
やっぱりはじめてお聞きになったんですね?
そうですよ。
ぼくが知ってるのは紹介したとこまでで、
その後のことは全然聞いてないです。
糸井 で、展覧会と、思いまして、ですね。
はい。
糸井 どういった展覧会にしようかと。
そこですね。
糸井 たとえば、変わったところで言うと、
キャンバスに糸で絵を描く。
しかしじつはこれ、よくあります。
よくあります。
糸井 変わった画材、印刷物、ライブペインティング。
それもよくあります。
はい。よくあります。
糸井 そういったものではなく、
いっそのこと、Tシャツに刷っちゃおうか、
そしてそのTシャツを
展示すればいいではないか
ということになりまして。
ああ、いいですね。
糸井 というようなことでぃ、
相談がまとまりましてね、
ヘッヘッ(落語口調)。

あ、それ、誰?
ミュウゼ やだ、何者かが出てきたわ。
ところでコレはなんなの?

ミュウゼ これは、お人形。私です。
ときどきしゃべりますから。
糸井 そうなんでございます。
こちらもおとなの女です。
そうなの‥‥‥。
ところでさ、「ほぼ日」で展覧会するって
つまり、この場所ということ?
それ、はじめてじゃないですか?
糸井 そうです、はじめてです。
「ほぼ日」のフロアの端っこの部屋、
ちいさなスペースなんですけれども、
そのこけら落とし。
ああ、おもしろい、おもしろい。
糸井 それにあたって、
本日、まだお見えになってない祖父江先生に
ご相談申し上げたら、
「おーきな絵も飾ったらどうでちゅか」
というお声を頂戴し。
ミュウゼ だからいま、100号の絵を
2枚描いてるんですよ。
もう描き終えちゃった?
ミュウゼ そんなはずないじゃないですか。
いま、30パーセントです。
100号で30パーセントですから、
200号だと15パーセントです。
糸井 工事の予定は遅れつつありますね。
ミュウゼ でもラストスパートというものがありますので、
あなどれないですよ。
糸井 そういえば南先生は以前、
ご自身の展覧会の1週間ぐらい前に
ここで予告の対談をなさったことがありますが、
そのときは、展覧会の絵を
全く描いておられませんでした。
ハッハッハッハ。
ミュウゼ その対談、読みましたよ。
それは私、まねできない。
絵のタイプが違いますので。
糸井 まあね。
でも、似たところもあるよ。
すてきなところが似ておられる。

ハッハッハッハ。
糸井 まずはごらんください、
ミュウゼさんの絵を。
わ。かわいいです。

ミュウゼ 伸坊さん、これ、私が描いたんです。
糸井 誰も違うって言ってませんよ。
ミュウゼ だって、伸坊さんは
私が描いてるところを一度も
ご覧になってないでしょ?
いつもただ雑談するだけですので、
作品はご存知ないと思います。
ですから、ご紹介いただいた理由も
ただ「雑談しておもしろかったからでしょう」と、
糸井さんにお伝えしていたんです。
糸井 雑談がおもしろいだけで紹介、というのは
南先生はなさらないと思いますよ。
しない、しない。
ぼくはね、こう見えてちゃんとしてるんです。
糸井 ちゃんとしてるんです。
この前、南先生のちゃんとしてるところ、
瞬間、ぼくは見ましたよ。
ミュウゼ ほんとですか。
糸井 あ、ちゃんとしてる! って思ったら、
さっと直してしまわれましたけどね。
ミュウゼ それは見せちゃいけないです。
糸井 瞬間でしたよね? しかも夜中に。
(ふたりを相手にせず、ミュウゼさんの絵を見る)

いいねぇ、この絵。
すごくいいね。
ミュウゼ うれしいなあ。
これは「はしびろこう」だね?

糸井 はしびろこうです。
ミュウゼ 悩んでる、はしびろこうです。
はしびろこうってのは、
動かないことで有名なんだけど、
ときどき動く。
俺が見に行ったときは、
池にいた餌を獲ってた。
糸井 せっせせっせと。
ミュウゼ へえ。
そのあと小屋に入りたかったらしいんだけど、
戸が開かないので、蹴ってた。
一同 (笑)

ミュウゼ 頑固者なのね、はしびろこう。
そうなんだよ。
糸井 おいらははしびろこう。
ヤクザなはしびろこう。
うん、そうそう。
糸井 おいらが怒ればぁ、ドアを叩く。
あ。
はしびろこう以上のものがいま視界を横切っ‥‥

ミュウゼ あーっ。
そぶちゃん、そぶちゃーん。
祖父江 遅くなっちゃった。


糸井 いやいやいや、ほかでもない。
あなたを待っていたところですよ。
まあ、そこにお座んなさい。

祖父江 はい。
糸井 ほんとうにあなたをお待ちしていて‥‥。
いや、じつはぼくも
ちょっと遅れて来たもんだから
祖父江さんのおかげで
余裕が出ましたよ。
祖父江 それを聞いてぼくも救われました。
糸井 じつはぼくも、遅れて来たんで。

ハッハッハッハ。
ミュウゼ これはものすごく
ドキドキするシチュエーションですね。

糸井 怪獣大決戦みたいです。
ミュウゼ すごすぎて、どうしよう。
祖父江 どうしよう!
(どうなるんだろう。つづきます‥‥)
2011-07-06-WED
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