糸井 | 今日はギャルを囲む会です。 |
南 | ハッハッハッハッ。 |
ミュウゼ | ギャルじゃないです、おとなの女です。 (↑この言葉の音声を聞いてみたい人は、再生ボタンを押してみてね) |
糸井 | 4人で座談会をする予定ですが、 祖父江さんはすでに 遅刻をするという 宣言があったそうです。 |
ミュウゼ | ああ、いつもの「祖父江時間」ですね。 じゃ、いましか言えないことを 言っておきましょう。 「祖父江!」「おい」「この野郎!」 なーんて。 |
南 | ハッハッハッハ。 |
糸井 | では、ここに4人が集うことになった なれそめから ゆっくりお話ししていきましょうか。 |
南 | まずはぼくが すごい絵を描く人がいると 糸井さんに伝えて。 |
糸井 | それがえつこミュウゼさん。 何度かお会いして、 「ギャルが来たな」と言うと、その都度 「ギャルじゃありません、おとなの女です」 |
南 | ハッハッハッハ。 |
糸井 | ということを、ま、会話しながら 今日までやってまいりました。 さまざまな作品を集めたミュウゼさんの スケッチブックを拝見しますとですね、 これは我が社で──といっても 小さなスペースですが──、 展覧会をやったらどうか、 ということになりまして。 |
南 | ああ、いいじゃない。 いいじゃないですか。 |
糸井 | あ、南さん、 やっぱりはじめてお聞きになったんですね? |
南 | そうですよ。 ぼくが知ってるのは紹介したとこまでで、 その後のことは全然聞いてないです。 |
糸井 | で、展覧会と、思いまして、ですね。 |
南 | はい。 |
糸井 | どういった展覧会にしようかと。 |
南 | そこですね。 |
糸井 | たとえば、変わったところで言うと、 キャンバスに糸で絵を描く。 しかしじつはこれ、よくあります。 |
南 | よくあります。 |
糸井 | 変わった画材、印刷物、ライブペインティング。 それもよくあります。 |
南 | はい。よくあります。 |
糸井 | そういったものではなく、 いっそのこと、Tシャツに刷っちゃおうか、 そしてそのTシャツを 展示すればいいではないか ということになりまして。 |
南 | ああ、いいですね。 |
糸井 | というようなことでぃ、 相談がまとまりましてね、 ヘッヘッ(落語口調)。 |
南 | あ、それ、誰? |
ミュウゼ | やだ、何者かが出てきたわ。 |
南 | ところでコレはなんなの? |
ミュウゼ | これは、お人形。私です。 ときどきしゃべりますから。 |
糸井 | そうなんでございます。 こちらもおとなの女です。 |
南 | そうなの‥‥‥。 ところでさ、「ほぼ日」で展覧会するって つまり、この場所ということ? それ、はじめてじゃないですか? |
糸井 | そうです、はじめてです。 「ほぼ日」のフロアの端っこの部屋、 ちいさなスペースなんですけれども、 そのこけら落とし。 |
南 | ああ、おもしろい、おもしろい。 |
糸井 | それにあたって、 本日、まだお見えになってない祖父江先生に ご相談申し上げたら、 「おーきな絵も飾ったらどうでちゅか」 というお声を頂戴し。 |
ミュウゼ | だからいま、100号の絵を 2枚描いてるんですよ。 |
南 | もう描き終えちゃった? |
ミュウゼ | そんなはずないじゃないですか。 いま、30パーセントです。 100号で30パーセントですから、 200号だと15パーセントです。 |
糸井 | 工事の予定は遅れつつありますね。 |
ミュウゼ | でもラストスパートというものがありますので、 あなどれないですよ。 |
糸井 | そういえば南先生は以前、 ご自身の展覧会の1週間ぐらい前に ここで予告の対談をなさったことがありますが、 そのときは、展覧会の絵を 全く描いておられませんでした。 |
南 | ハッハッハッハ。 |
ミュウゼ | その対談、読みましたよ。 それは私、まねできない。 |
南 | 絵のタイプが違いますので。 |
糸井 | まあね。 でも、似たところもあるよ。 すてきなところが似ておられる。 |
南 | ハッハッハッハ。 |
糸井 | まずはごらんください、 ミュウゼさんの絵を。 |
南 | わ。かわいいです。 |
ミュウゼ | 伸坊さん、これ、私が描いたんです。 |
糸井 | 誰も違うって言ってませんよ。 |
ミュウゼ | だって、伸坊さんは 私が描いてるところを一度も ご覧になってないでしょ? いつもただ雑談するだけですので、 作品はご存知ないと思います。 ですから、ご紹介いただいた理由も ただ「雑談しておもしろかったからでしょう」と、 糸井さんにお伝えしていたんです。 |
糸井 | 雑談がおもしろいだけで紹介、というのは 南先生はなさらないと思いますよ。 |
南 | しない、しない。 ぼくはね、こう見えてちゃんとしてるんです。 |
糸井 | ちゃんとしてるんです。 この前、南先生のちゃんとしてるところ、 瞬間、ぼくは見ましたよ。 |
ミュウゼ | ほんとですか。 |
糸井 | あ、ちゃんとしてる! って思ったら、 さっと直してしまわれましたけどね。 |
ミュウゼ | それは見せちゃいけないです。 |
糸井 | 瞬間でしたよね? しかも夜中に。 |
南 | (ふたりを相手にせず、ミュウゼさんの絵を見る) |
南 | いいねぇ、この絵。 すごくいいね。 |
ミュウゼ | うれしいなあ。 |
南 | これは「はしびろこう」だね? |
糸井 | はしびろこうです。 |
ミュウゼ | 悩んでる、はしびろこうです。 |
南 | はしびろこうってのは、 動かないことで有名なんだけど、 ときどき動く。 俺が見に行ったときは、 池にいた餌を獲ってた。 |
糸井 | せっせせっせと。 |
ミュウゼ | へえ。 |
南 | そのあと小屋に入りたかったらしいんだけど、 戸が開かないので、蹴ってた。 |
一同 | (笑) |
ミュウゼ | 頑固者なのね、はしびろこう。 |
南 | そうなんだよ。 |
糸井 | おいらははしびろこう。 ヤクザなはしびろこう。 |
南 | うん、そうそう。 |
糸井 | おいらが怒ればぁ、ドアを叩く。 あ。 はしびろこう以上のものがいま視界を横切っ‥‥ |
ミュウゼ | あーっ。 そぶちゃん、そぶちゃーん。 |
祖父江 | 遅くなっちゃった。 |
糸井 | いやいやいや、ほかでもない。 あなたを待っていたところですよ。 まあ、そこにお座んなさい。 |
祖父江 | はい。 |
糸井 | ほんとうにあなたをお待ちしていて‥‥。 |
南 | いや、じつはぼくも ちょっと遅れて来たもんだから 祖父江さんのおかげで 余裕が出ましたよ。 |
祖父江 | それを聞いてぼくも救われました。 |
糸井 | じつはぼくも、遅れて来たんで。 |
南 | ハッハッハッハ。 |
ミュウゼ | これはものすごく ドキドキするシチュエーションですね。 |
糸井 | 怪獣大決戦みたいです。 |
ミュウゼ | すごすぎて、どうしよう。 |
祖父江 | どうしよう! |
(どうなるんだろう。つづきます‥‥) |
2011-07-06-WED |