ほぼ日刊イトイ新聞 アニ(スチャダラパー) × 梅佳代 
こう見えて報道系。  ポスト梅佳代カメラマン、アニ登場!
スチャダラパーのアニさんが、 ずっと前から撮りためていた膨大なスナップ写真が 『ブリング ザ ノイズ』という本にまとまりました。 快挙といえば、快挙じゃありませんか。 その偉業を記念して、アニさんが自分を勝手に そのフォロワーと位置づけている 梅佳代さんと語っていただきました。 失礼ながら、どちらのカメラマンも 場を仕切るタイプではありませんから、 真ん中に糸井重里に座ってもらいました。 ゆるゆるムードですが、深い話も。
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第1回 カメラ
糸井 毎日写真撮ってると、
カメラに飽きたりしませんか。
アニ あー。
うめ わ、どうだろう。
糸井 アニさんは飽きませんか。
アニ うーん、まぁ、
「あ、今日カメラ忘れた」
みたいなときは、ありますよ。
以前はそういうこと、なかったけど。
糸井 そう、そういうこと、そういうこと。
うめ 忘れて出かけることはさすがにないけど、
玄関出るときに「おっと」っていうくらいは、
最近、ちょっと、あるような気がする。
糸井 あるよねぇ。
ま、ぼくは、職業じゃないから、
「今日は持って行かなくてもいいか」って
簡単にあきらめちゃったりもするけど。
アニ (うめさんのカメラを指さしながら)
だいたい、これなんスか?
うめ そう。だいたいこれ。
でも、じつはこれ、補欠で、
レギュラーのひとは修理に行ってるんです。
そっちはシールももっとかっこいいんだけど。
糸井 いや、こっちも十分かっこいいよ。
すばらしいねぇ。
ちょっとこのカメラを撮っちゃおう。
アニ 写真に日付が入ってるのも、このカメラで?
うめ そうです。
なんか、写真に日付が入っとるせいでね、
コンパクトカメラとかで
撮ってるって思われてるみたい。
まぁ、べつに、それでもいいけど。
アニ デジタルじゃなくてフィルムですよね?
うめ はい、フィルムです。
アニ ってことは、自分で焼くんですか。
うめ いや、ビックカメラとか、そのへんが焼く。
アニ ああ、「そのへんが焼く」(笑)。
糸井 やっぱり、デジカメはいやなの?
うめ デジカメって、紙にしないでしょ。
モニターの画面で見るのがイヤなんですよ。
全部紙にしたいから。
糸井 紙にしたらいいんじゃない?
うめ え!
糸井 紙に。できるし。
うめ したら‥‥いいんやけど‥‥
ガーン、そうか、そうでした。
糸井 わかんないけどさ。
うめ じゃあ、デジカメでもいいかな。
糸井 うめかよがデジカメになっちゃったら
どうなっちゃうんだろうねぇ。
アニ 便利は便利ですよ、デジカメ。
糸井 アニさんのカメラは、それ?
アニ これは違います。
昔使ってたフィルムカメラなんですけど、
壊れちゃって。
糸井 あ、それは、フィルムのGRだ。
ぼくがつかってるデジタルの
GRとは兄弟の関係だね。
アニ そうそう。
うめ へぇー、そうなんですか。
糸井 ‥‥しかし、あれだね。
うめ ん?
糸井 なんていうか、この3人で、
ほんとに、カメラ談義っていうか、
写真の話をするんだね。
アニ (笑)
糸井 あのさ、写真集を出すっていう話は
どういうふうにはじまったの?
アニ ぼくのこれですか?
糸井 そうそう。出版社側から
「出しませんか?」って言われたの?
アニ そう‥‥かな。
「出しませんか?」っていうより、
「これ、出さないんですか?」って。
うめ すごーい。
糸井 そうか。それはその、つまり、
ミュージシャンだったっていうのが
よかったのかね。
アニ そうじゃないですかね。
糸井 うめちゃんは、最初の写真集は
どういうふうに決まったの?
「出しませんか?」って言われたの?
うめ いや、まさか、そんな。
「出しませんか?」なんて
なかなか言われるもんじゃないですよ。
糸井 じゃ、どうしたの。
「出してください」って頼みに行ったの?
うめ いちおう、
「見てください」ということで。
糸井 それは、飛び込みで、
一社ずつ回るような感じで?
うめ いや、ちがう。
ある人が紹介してくれたんです。
「あんたちょっと、紹介してあげるわよ」
って言って。
糸井 そりゃぁ、きっと女だね。
女か、オカマだね。
だって「してあげるわよ」って言ったからね。
アニ まちがいないですね。
うめ ライターの人だったんですけど。
アニ オカマなんですか?
うめ ‥‥‥‥わかんない。
糸井 ともかく、その、わかんない人に、
紹介されて写真を見せたと。
うめ うん。行って、見せた。
そしたら、信じてもらえた。
アニ 「信じてもらえた」(笑)。
糸井 「信じてもらえた」(笑)。
うめ うん。
糸井 それはそうと、
うめ先生はいっつも、
カメラを向けられると
そういうこと(変なかっこう)
するよね。
うめ あ、いかん、いかん。
やめよう、こういうこと。

(続きます)

2009-05-11-MON

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第1回 カメラ
2009-05-11
第2回 ライバル
2009-05-12
第3回 報道
2009-05-13
第4回 批判
2009-05-14
第5回 VOW
2009-05-15
第6回 気まずい
2009-05-18
第7回 撮れない
2009-05-19
第8回 他人
2009-05-20
第9回 『ブリング ザ ノイズ』
2009-05-21

 
『ブリングザノイズ』
著者:ANI(スチャダラパー)
出版社:リトルモア
価格:1785円(税込)
スチャダラパーのアニさんが
長きにわたり撮りためた写真をまとめた1冊。
もちろん、アニさん初の写真集です。
リアリティーのあるストリートの風景から
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