Sponsored by Nintendo.
おおらかなことば
~宮本茂さんにきく。 2004年初夏~
──
まだまだ先の話で
詳しいことは言えないと思いますが、
とりあえず感想としてお伝えします。
ゲームキューブの『ゼルダ』
(『The Legend of Zelda(仮称)』)、
びっくりしました。
宮本
ああ、あれですね(笑)。
──
『風のタクト』とうって変わって、
『時のオカリナ』に近い、リアル路線で。
現地でも大喝采を浴びたようですけれど。
宮本
発表まで極秘のまま進められましたので
みんなびっくりしたみたいですね。
喜んでもらえてよかったです。
まあ、青沼(英二:『風のタクト』ディレクター)
はうそつき呼ばわりされて
ちょっとたいへんだったみたいですけど(笑)。
──
え、どういうことですか?
宮本
あの、青沼が3月にGDC
(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス。
世界中のゲームクリエーターが集い、
レクチャーやディスカッションを行う)
に行ったんですね。で、そこでは、
『風のタクト2』を順調につくってると、
言ってたんですよ。
──
ああ、なるほど(笑)。
『風のタクト2』って言われると、
絶対あのトゥーンシェードの画風だと
思っちゃいますよね。
宮本
そうなんです(笑)。あの絵はもちろん、
いいデザインだと思ってますけどね。
16歳のリンクをどう描くか、ということで
リアルな路線でいろいろ試しているところです。
まあ、いまはそれ以上はまだ言えませんけど。
──
はい、気長に、たのしみにしています(笑)。
先日発売された『ピクミン2』が
好調のようですね。
宮本
ええ、ありがたいことに。
売れ行きもずいぶんいいみたいで、
いまだに品薄気味みたいですね。
──
そうなんですよ。いや、ぼく、
ちょっと遅れてはじめようとしたんですけど、
どこも売り切れですっごい探しました(笑)。
宮本
そうなんですよ。問屋さんの注文よりも
多めにつくってたんですけど、
それでもぜんぜん追いつかなくて。
──
『ピクミン2』に関しては、
宮本さんは監修というか、大きく見守る立場で?
宮本
そうですね。現場に任せてて、
直接のデザインはやってないんです。
まあ、いろいろ手は入れましたけど。
去年の秋にね、一回、できあがったんですよ。
けど、そのバージョンでテストをしたときに、
前作とあまり変わり映えがしないというか、
変わってるんですけど、手応えとして
うまく伝えられていないというのがあって、
それで演出をし直したりしてね。
ゲーム自体はつくり変えてないんですけど。
──
前作もゲームとして完成度が高かったですが、
『ピクミン2』の特長というとどのへんでしょう。
宮本
やっぱり、前作より
自由に遊べるようになりましたね。
あの、ピクミンの種類が増えたり、
集めるものが増えたりして、
『2』は要素として複雑にはなってるんですけど、
ゲームとしては前作のほうがシビアなんですよ。
だから、おかしな言いかたですけれども、
前作のほうが『2』らしい、というか。
だから、『2』をやってもらってから
最初の『ピクミン』にチャレンジしてもらうと
おもしろいんじゃないですかね。
あの、ぼくの個人的な印象でいうと、
最初の『ピクミン』は羊の皮をかぶっているけど、
じつはオオカミ、っていうゲームなんですよね。
──
あ! わかります! ほんとにそう!
宮本
ね(笑)。だから、わりとゲーマーが楽しめる
ゲームとして仕上がってるというか。
──
そうでしたそうでした(笑)。
序盤は「ピクミンかわいいなあ」で進むんですけど、
後半になるにしたがって、ゲームっぽく、
どんどんタイトになっていくという。
宮本
ですよね。だから、まあ、前作の『ピクミン』は、
極めようとするとすごい楽しいんですけど、
ライトにたのしみたいという人にとっては、
最後のほうはきつかったかもわからない。
それもあって、『ピクミン2』は
おおらかにつくろう、と。
だから、新規の人はすごくたのしめると思いますよ。
生き物図鑑なんかも充実させましたしね。
(続きます!)
このページへの感想などは、メールの表題に、
「秘密基地」と書いて、
postman@1101.com
に送ってくださいね!
2004-07-15-THU
第1回 さわってもらおう
第2回 開発者がたのしそうだ
第3回 一回リセットしてみたいな
第4回 いろんな枠がなくなっていく
第5回 最先端であるかどうかにこだわらず
第6回 『ゼルダ』と『ピクミン2』
第7回 名物!宮本茂のちゃぶ台返し!
第8回 これからのこと