気仙沼のほぼ日便り

ある仕事があったので、
岩手県宮古市に行ってきました。

気仙沼は宮城県と岩手県の
県境にあるので、一瞬近い距離感覚になりますが
宮古市は気仙沼から
車で2時間半〜3時間かかります。
なので、私もあまり行った事がなく、
じつは今回がまだ2度目です。

まずは「シートピアなあど」で、
震災前の街を記憶を再現した
「記憶の街ワークショップ」の
模型を見学しました。
震災で被災した東北の沿岸部各地で
行われているワークショップで、
神戸大学発案のもと、
さまざまな大学が参加し、
地元の方と共に、記憶の中にある
元の街のすがたを残そうという取り組みです。

震災前の街、そしてこれからの街の模型がならび、
街のことを案内してもらっているような
気持ちになりました。

ちなみに、この施設では、
本州最東端訪問証書を購入できます。
(市内何カ所かで発行してもらえるようです。)
あ、せっかくなので、
宮古の気になるスポットも、
私の独断と偏見による★をつけていく
「サユミシュラン」式に
おすすめをしていきたいと思います。
シートピアなあどは
<宮古を最初に知るのにおすすめ度★★★>です。

・宮古市五月町 魚菜市場
写真3、4枚目は、
宮古の新鮮な魚介や野菜、お土産品などの
お店がひしめき合う、魚菜市場です。
生魚から干物、加工品などいろいろあり、
お買い物欲がみたされます。
食堂もありますので、
お昼にいくのも良いと思います。
<並ぶ魚にテンション上がる度★★★★>

・宮古市向町 さとう衣料店
5、6枚目は「本州で一番アメリカに近い店。」
のキャッチコピーで、
レディース、メンズの衣料品、
雑貨を扱っている、さとう衣料店です。
突然おしゃれな都会の街にやってきた
ような気持ちになりますが、
ここは宮古なので、
お寿司をたべたり海をながめたり‥‥
の流れで立ち寄れるのが魅力です。
現在営業している震災後にできた
新店舗は明るくて、お店の人もやさしく、
とても居心地のいい場所でした。
<本州最東端おしゃれを楽しめる度★★★★★>

さいごに、私はまだ宮古初心者ですが、
一つだけぜったいに行きたいと思っていたのが
以前、岩手県山田町の道の駅で出会った
パンのお店の本店でした。
その名も「ベーカリー相馬屋」さん!
テンションがあがりすぎて
お店を写真におさめわすれましたが、
ジャムパン、クリームパンを
買い込んで、ほくほくの帰路でした。
ジャムはしっかり甘く、クリームはみっちり。
初めて食べた時から、懐かしくおいしい味でした。
宮古ではこのパンが、
なんとコンビニでも購入できるらしく、
相馬屋ファンの
私からしたら夢のようです。

今回ご紹介したのはほんの一部で、
浄土ヶ浜などメインの観光名所は
通り過ぎただけでした‥‥。
宮古はまだまだ奥が深そうですので、
次に来た時はもっといろんな場所を
楽しみたいです。

さて、6月6日、7日は
マジカル気仙沼ツアーですよ!
私も現在準備をすすめています。
要チェックですよ〜!

気仙沼で水揚げと言えば、
カツオ、サンマがメインですが、
サメの水揚げ日本一でも知られています。

とはいえ、高級食材のフカヒレも、サメの身も、
私の家で食べる機会はなかなかないし‥‥
と思っていたら
サメ料理を試食しながら、
サメの話をする会、
その名も「サメ談話会」というイベントが
あると聞き、
参加してみることにしました。

会場には、仙台、横浜、群馬など、
さまざまな場所から
参加者があつまっていました。
お仕事もさまざまで、
水産加工業、元船員、高校の先生、
気仙沼のおかみさん会「つばき会」の
方もいらっしゃいました。

さて、さっそくサメ料理の試食タイムです。

まずはサメの内蔵を使った
「気仙沼サメホルモン」から。
気仙沼には、
「気仙沼ホルモン」という
しっかりした味付けの名物ホルモンも
あるのですが、
サメホルモンは、
ふつうのホルモンよりも噛みやすく、
食べやすいのが特徴です。
なにより珍しさがあるので、
お店のメニューにあったら
頼みそうだなと思いました。

そして、気仙沼の中華料理店
福建楼の味付けによる
サメの身の「サメの麻婆」
「サメの甘酢」味付けのもの、
「サメ肉チャーハン」は、
サメ肉がふんわりしていて
味にくせがないので、
とても食べやすかったです。
さらに、サメの皮は加工品に、
軟骨は健康食品に、といったように、
捨てるところがないんだそうです。

シャークジャーナリストの沼口麻子さん
船頭さん交えての
サメ談話のあと、
最後に、今回の主催である沼口さんが
「いまとてもサメの注目が高まってます!」
とおっしゃっていました。
今年、もっとサメの街気仙沼が
盛り上がって、
市内でもこんなふうにおいしいサメ肉が
食べられるお店ができたら、
いいなと思いました。

気仙沼では4月2日から、
気仙沼魚市場の隣に
「海の市」と
「リアスシャークミュージアム」が
オープンしました。
私も「サメ女子」目指して
サメ文化、サメカルチャーを
もっと知りたいと思います。

「サメジャーナリスト」の活動が
気になる方には、
沼口さんの連載もおすすめです。

普段から仲良くしている
コヤマ菓子店さんの
お店にいきました。
このお店は似顔絵ケーキが
得意なんです。
気仙沼ニッティングでも
ロゴのケーキを
作ってもらったことがありました。

お店一番人気のはまぐりもなかクッキーは、
この日売り切れ‥‥
テレビや雑誌で取り上げられて
注文がたくさん来ているそうです。

ちなみに、はまぐりもなかクッキーとは、
もなかの皮をタルト型のようにして
クッキー生地を流し込んで
焼き上げたクッキーです。
もなかとクッキーという
意外な組み合わせですが、
食べてみるとそれぞれの
サクサク感が楽しめます!

‥‥でも、なんかいまいち
おいしさを伝える事ができません。
文章の食レポって難しいです。

あとは、我らがホヤぼーやの焼き印が
どまんなかに押された
「ホヤぼーやまんじゅう」も人気でした。
これは箱に気仙沼の
ミニ観光ガイドが載っています。
お土産におすすめです。

しかしこの日は、
ホヤぼーやまんじゅうも売り切れでした!
従業員さんは、みんな忙しそうに働いていて、
活気がありました。

そうそう、
港にあるカフェK-portでは、
コヤマ菓子店がコラボレーションした
シュークリーム「シューport」が
食べられます。
くわしくはこちらで

線路を歩いていると、
「スタンド・バイ・ミー」を
思い出しますよね。
とはいえ、ふつう、
あまり線路を歩く機会は
ないと思うのですが、
気仙沼は、いま電車が
走らない線路があるので、
そこを歩くことが可能です。

鹿折地区を車で走っていると、
前となんだか違う‥‥と気づきます。
実は、以前走っていた道路と並行に
新しい道路ができていて、
今はそこを走っているからなのでした。
ちょっとうまく伝えづらいのですが、
写真で見ると、もともとの道路は
立ち入り禁止になっていて、
さらに左に新しい道路が
走っているんです。
かなり盛土をされて作られていた
前の道路よりも、
新しい道路の高さはもっと高いです。

そう考えると、
どんだけ土がいるんだ‥‥と
気が遠くなります。
工事車両も、
たくさん停まっていたので、
地道にやるしかないんだなとも
思いました。

鹿折中学校のほうには、
橋がつくられていました。
ふと、反対側を見ると、
中学生が野球の練習をしています。
中学校はもっと山の上のほうなのですが、
学校のグラウンドには、
仮設住宅がたてられているので、
こうして校舎とは少しはなれたところで
練習をしています。
すこし離れてからも、
若さあふれる野球部のかけ声が、
聞こえてきました。

今までの、気仙沼の街の様子は
2014年1月の気仙沼
2013年10月の気仙沼
2013年2月の気仙沼ー階上、岩井崎編ー
2013年2月の気仙沼ー鹿折、南町、南気仙沼編ー
地盤沈下と冠水。(2011年11月)
などで、一部見られますので
良かったらご覧ください。

ついに気仙沼もあたたかく
なってきました!
木や草花は、まだ、
冬の姿のままのものが多いですが
とてもすごしやすい年度末です。
しかし、ほんのちょっと前、
3月20日、気仙沼は雪に見舞われました。
気温はそこまで低くなかったため、
雪が水分を多く含んでいて、
雪の重みによる倒木で電線が切れ、
気仙沼市内の一部で停電も起こりました。

そのとき、すっかりもう
春が来るなぁと思ってたので、
完全に油断しました。
2枚目は、その日の帰路の
階段がすごいことになっていた‥‥
という写真です。

いまは、雪も溶けて、
また少し、春のきざしが
感じられるようになりました。

でも、思い起こせば、
例年梅雨の時期でも、
寒い日はストーブを
つけていることが
あるんですよね‥‥。

南から東北にいらっしゃる際には、
気温差に、お気をつけてください。

東北ツリーハウス観光協会
ケヤキの木を植樹した場所の近く、
大谷海岸にて、
大谷Uemiraiという団体のみなさんと
「みんなの漂流物コレクション」
と題したワークショップを開催しました。
あ、ちなみにこれは、ほぼ日とは関係なく、
個人的にやってみたというものです。

私は砂浜が好きで、
行くと、何かを拾わずにはいられず、
これまでたくさんの貝殻、
その他気になったものを見つけては、
ほくそ笑みながら、それを眺めて
1人で楽しんでいました。
カッコ良く言うとそれは
「ビーチコーミング」
ともいうらしいです。

はじめて大谷海岸にきたとき
砂浜に、貝殻や何かのカケラなど、
たくさんのいいものが
落ちていたので、
拾い集めて写真を撮りました。
それを、思いがけずたくさんの人が
「いいね!」と言ってくれたので、
今回のワークショップを
開催しようということになりました。

ワークショップは
ツリーハウス制作メンバーの
フッキー親子や、
げんきくん、なども参加しました。
まずは、みんなで気になるものを
拾い集め、きれいに洗って並べます。
比べてみるとほんとに人それぞれ!
同じ色で集める人もいれば、
全体のバラエティ感を考えて
集める人もいます。

写真を撮って、
ポストカードサイズに印刷して、
お互いに交換しあいました。
お土産にしたり、
家にかざったりしながら、
「大谷海岸は素敵なとこだよ」
って話ができたら
いいなと思っています。

日によって、漂流物も
ぜんぜん違ってくるので、
また開催してみたいです。

3月11日になって、
東日本大震災から3年になりました。

こないだ、
「震災は風化したと思いますか?」
というアンケートを目にしたのですが、
風化ってどういうことなんだろう?
と改めて考えてしまいました。

気仙沼に住んでいるからかもしれませんが、
震災によって引き起こった出来事は、
常に今の問題であるように感じます。
震災が起きたことが、
今の自分に大きく関わっているとも
思っているからかもしれません。

私は、気仙沼に来て
だいたい2年になります。
振り返ると、私は震災がきっかけで
気仙沼に移り住みました。
それと、結婚もしました。
そう考えると、
今の自分を作っている要因のひとつが
震災なのかな、という気がしています。

逆に言うと、私は、震災が無ければ、
気仙沼に来る事もなく、
気仙沼のほぼ日で働くこともなく、
こんなに気仙沼のことで、
悲しんだり怒ったり喜んだりすることも
なかったんだなぁと思います。
そういう意味では、やはり震災は、
今の自分の仕事の
大きな動機にもなっています。

「あまちゃん」のドラマのなかで
「転んでもただではおきねぇ、
北三陸を今度こそなんとかすっぺ」
というスローガンが
出てきましたが、
あれは、まさにそう! と、共感します。
東北で、人口が減っているところって、
もともとどうにかしなきゃな、
って気持ちがあったんですよね。
街に活気がなくなって、
若い人もいなくなる‥‥
私も、もともとは、田舎が嫌で
東北を離れていた一人です。

震災で、東北は大変だったけれど、
いろんな人が訪れるようになって、
それに刺激されるように、
今だからこそ、面白いことや、
好きなことができるかもという気持ちが
若い人の中にも起こってきているなと、
感じていました。
そして、この3年の積み重ねで、
今だからこそやってやろう、と、
目にもの見せてやろう、と、
面白い活動が広がってきています。
ツリーハウスだってその一つですね。

3月11日の今日は、
自分は頑張れてるかな?と
確認する日でもあります。
自己評価は「まだまだ」なので、
もっと元気に、面白く、楽しく、
頑張っていこうと思います。

すでにこちらでお知らせの通りですが、
東北ツリーハウス観光協会は、
「ヤフオク!」さんのご協力のもと、
宮城県石巻市での、
ツリーハウスの制作を開始しました。
場所はたびたびご紹介してきた、
蛤浜というところにある、
cafeはまぐり堂さんです。

無事、開始式も終了!
おかげさまで、
たくさんのメディアの方に
取材していただきました。

現在も作業が行われていますが、
東北はまだまだ寒いので、
厳しい現場となっています。
それでも、今回は、
はまぐり堂を手伝っている
若いスタッフが
ばりばり力を発揮しているので、
スムーズに制作が進みそうな
予感がしています。

今回のツリーハウスは
そばにバス停があって、
バス停も一緒に
リニューアルする予定とのこと。
待つのが楽しいバス停になりそうです。

3月になって、
気仙沼も気温の暖かい日が増えてきたので
ツリーハウスのある徳仙丈はどうかな?
と足を伸ばしてみました。

結果、雪はまだたくさんありまして、
歩くのも困難でした。
あとあと詳しい方に聞いたところ、
「あんなところ、
 車で登っちゃダメだよ! 」
と注意されました。
山の麓までは除雪されているので
たどり着けるのですが、
そこから先が難しい‥‥
というもどかしい状況で、
ツリーハウスにもたどり着けずでした。
早く雪が溶けないかなぁ。

しかし、一方で里のほうや、海の方は、
もう雪はありません。
空が晴れ晴れとしていると、
春ももうすぐかなぁなんて思います。

実際、桜が咲いたり、
春だな〜と思えるようになるのは、
5月くらいなんですが‥‥待ち遠しいです。

気仙沼のお隣、陸前高田の奇跡の一本松付近で、
巨大な橋を見かけました。
周りが被災しているだけに、
その大きさが余計に目立ってびっくりしたのですが、
あとから地元の方に聞いたところ、
土砂運搬用のベルトコンベア
ということが判明しました。

陸前高田では、
高台に新たな住宅地を造成したり、
整地用の土砂を確保するために
山を掘削しています。
こうしてベルトコンベアの橋を作ることで、
車で運搬するよりも大幅に早く、
工事を進めることができるそうです。

ちなみに、このベルトコンベアには
「希望のかけ橋」という名前がつけられています。
復興と呼べるのは、まだもっと先なんだろうなと
思いますが、この名前を聞いて、
手がかりが見えてきたような気がしました。

さて、その橋の近くには、
陸前高田の老舗
八木澤商店の一本松店があります。
ここでは、八木澤商店の
しょうゆ、みそ製品の購入はもちろん、
コーヒーやスイーツのテイクアウトもできる
うれしいスポットです。

最近、八木澤商店のもろみをつかった
「不来方(こずかた)バウム」という商品が
復活したとのことで、
店頭にならんでいました。
ふわふわで、ほんのりもろみの香りがします。
この商品ができたということは、
八木澤商店のもろみが
醤油以外の商品になるくらいまで
復活してきたということでもあります。
(醤油は昨年10月末に、
震災後はじめてとなる初絞りが行われました)

陸前高田と気仙沼は、
県が違いますが、
まとめて「気仙地区」と呼ばれたり、
身近で人の行き来も多いので、
陸前高田の明るいニュースを聞くと
仲間が頑張ってるみたいでうれしいです。