ただいま製作中!ただいま製作中!

2008/07/02 12:26
sugano

どんどん変わっていく

では、さきほどの
あいうえお表をお借りして‥‥

「まだまだですよぅ。
 国語は、明治36年〜42年あたりが
 いちばんおもしろいんだから」

そうなんですか。

「こうやって、カタカナのアイウエオと
 ひらがなのいろはにほへとが
 見開きで載っている教科書から、
 ひらがなのあいうえおといろはが
 両方載っている教科書になっていって」
2008/07/02 12:18
sugano

本居宣長

では、五十音表の起源は
どこなんでしょうね?

「それは、この人に訊くといいよ」

『本居宣長』小林秀雄。

吉本さんに近づいてきました。
2008/07/02 12:12
sugano

日本書紀をひもとく

「こうして
 巻き物を
 ひもときましてね」

実際に“ひもとく”人を
はじめて見ました。

「ほうら、ここにあるでしょ、
 カタカナが。
 こうやって、中国からきた
 漢文を読むための補助として
 カタカナを振って
 読んでいたんですねぇ」

そういえば、高校のとき
こうやって漢文を読んでいました。

「カタカナの文字が、みんな
 左下に流れる形をしているのは、
 こうやって文章に
 クサビを打つような機能があったからだと
 いわれてるんです」

ほおおおお。

これがカタカナのはじまり。
だから、カタカナは記号っぽいんですね。
だから、アイウエオはカタカナはじまり
なんですね。
2008/07/02 12:09
sugano

そんでね

「そもそも
 カタカナというのは
 どういう文字だったかというとね
 (ゴソゴソゴソ)」

‥‥日本書紀。

「帰りたくなってきた?」

いえいえいえいえ。

「とうとう巻き物の世界まで
 来ちゃいましたねぇ」
2008/07/02 12:05
sugano

ではカタカナは

ひらがなは
文楽や歌舞伎の浄瑠璃文に
たくさん残っているそうです。
どちらかというと
歌や楽譜がひらがなに
ぴったりだったんですね。

「では、カタカナはというと、
 こういう、西洋事情みたいな本の
 “理解するため”の字として
 使われていたっぽいわけ」

なるほど。
2008/07/02 11:58
sugano

ひらがなは
100種類以上あった

なんでアイウエオは
カタカナからはじまったんですか?

「それはね、
 むかし、ひらがなは
 100種類以上字があったからです。
 変体仮名といいましてね、
 たとえばこれ!
 この本、ぜんぶおんなじ
 『詞の玉緒(ことばのたまのお)』
 というタイトルなんですよ。
 だけど、一巻から七巻まで
 おなじ表記をするのは避けて、
 こんなふうにしてるわけです」

あ、おそば屋さんの看板も
読めない字で書いてあるのは、
その、粋な仮名なんですね。

「そーそー」

だから、五十音に
まとめられなかったんですね。

「というのもあるし、
 ひらがなというのは記号というより
 もっと、魂に近い
 存在だったからだろうね」

へぇぇぇ。
2008/07/02 11:52
sugano

江戸時代

「ちなみにこれは
 江戸時代の庭訓往来っていう、
 いわゆる往来ものって
 呼ばれるやつなんだけどね」

‥‥江戸時代ですか。

「うん、江戸後期です。
 各ご家庭に一冊、みたいな本で、
 昔は教科書がなかったから
 寺子屋もこういう本で
 勉強したりしていたのね。
 ここにいろはが載ってます」

はああ。ここは博物館じゃなくて
デザイン事務所ですよね?

しかも、祖父江さんは
おもしろい顔ができる人じゃなくて
日本を代表する
ブックデザイナーですよね?
2008/07/02 11:44
sugano

あいうえおは
アイウエオ

「あのねぇ〜
 あいうえおってのはもともと
 カタカナのものだったんだよ。
 ほら、明治初期の教科書には
(明治7年が教科書スタートだそうです)
 カタカナでアイウエオが載ってて
 ひらがなは、いろはにほへと
 なんですよ」

わーほんとうですねーー!

「むかしの人は
 声に出す感じをひらがなで、
 文章を理解する感じをカタカナに
 していたみたいだよ」
2008/07/02 11:38
sugano

その資料とは

7月19日に使用する資料とは、
あいうえおの表です。

2年前、コズフィッシュさんに
入り浸りの生活をしていた際、
五十音表がものすごく存在していることを
コズフィッシュの本棚を
嫌というほど立ち読みしていた
わたくしは憶えておりましたのです。

祖父江さん、ご協力ありがとうございます。
じゃ、この教科書をちょっと拝借して‥‥

「これだけでいいの?」

‥‥というと??
2008/07/02 11:30
sugano

そ〜ぶえさ〜ん

お久しぶりの登場です。
グラフィックデザイナーの
祖父江慎さんの
事務所に来ています。

どのくらい久しぶりでしょうか。
祖父江さんには、2年前に
よしもとばななさんの
『ベリーショーツ』を編集制作した際、
たいへんお世話になりました。

で、このたびはですね、
ばななさんのお父さんである
吉本隆明さんが
7月19日に行うイベントの資料を
拝借しに、
祖父江さんの事務所コズフィッシュに
おじゃました次第です。