三谷幸喜脚本の8時間ドラマ 『わが家の歴史』を、 観ると決めた。
三谷幸喜さんが脚本を書きおろした 3夜連続、8時間のホームドラマが放映される。 『新選組!』『ザ・マジックアワー』と、 三谷作品に心酔してきた「ほぼ日」としては 黙って見過ごすわけにいきませんよ。 しかも、西田敏行さん? 佐藤浩市さん? 柴咲コウさん、天海祐希さん、松本潤さん、 堀北真希さん、榮倉奈々さん、大泉洋さん、 おいおいおい、こりゃすごい。ひどい。 こりゃあ、観ますよ、などと言っていたら、 糸井重里のところに編集されたばかりの 試写用DVDが届きました。 案の定、おもしろかったみたいですよー。 さっそく、三谷幸喜さんと、 プロデューサーの重岡由美子さんをお呼びし お話をうかがいました。
4/9(金)10(土)11(日)夜9時 フジテレビ系列にて3夜連続放送  『わが家の歴史』公式ページへ

第1回 はじめに 2010-04-01
第2回 妥協論 2010-04-02
第3回 総合芸術ですから 2010-04-03
第4回 8時間のドラマ 2010-04-04
第5回 昭和を平熱で描く 2010-04-05
第6回 遊びすぎない 2010-04-06
第7回 西田敏行さん 2010-04-07
第8回 ラブシーン 2010-04-08
第9回 成長しない一家 2010-04-09 第一回目放送
第10回 欠かせない人たち 2010-04-10 第二回目放送
第11回  テレビドラマ 2010-04-11 第三回目放送

糸井 えー、今日は、ギャラリーのいる中で
お話しすることになりますので、
いちおう、紹介からはじめることにしましょう。
まずは、フジテレビのプロデューサー、
重岡由美子さんです。
一同 (拍手)
重岡 よろしくお願いします。
糸井 よろしくお願いします。
え〜、そして、三谷幸喜先生です(笑)。
一同 (拍手)
三谷 よろしくお願いします。
糸井 よろしくお願いしますー。
三谷 (ギャラリーを見ながら)
いや、今日はこんな感じだと
まったく思ってなくて。
一同 (笑)
糸井 うん。ほんとはそれぞれ、
違う仕事をしていなくちゃいけないんですけどね。
なんだか、集まってきちゃって。
三谷 (不思議そうにギャラリーを見ながら)
あの、この人たちは、誰なんですか?
一同 (笑)
糸井 うちの社員です。
三谷 みなさん社員?
糸井 そうなんです、すいません。
あ、一部、「BRUTUS」の人もいるね。
三谷 あ、ほんとだ(笑)。
糸井 そういうなかではじめていきたいと思います。
三谷 重岡さんと糸井さんは
はじめてでしたっけ?
重岡 以前、『マジックアワー』の取材のときに
お世話になりました。
糸井 ああ、その節も、この節も、
どうもありがとうございます。
三谷 ぼくの映画はこれまですべて重岡さんが
プロデュースしてくださったんです。
糸井 そうでしたか。それは、それは。
三谷 ちょっといま、右目の血管がやぶれて、
充血されているようですが。
糸井 充血。それは、それは。
重岡 ‥‥すみません。
三谷 いつもはこんな感じじゃないんです。
糸井 いつも右目の血管が
やぶれているわけじゃないんですね。
三谷 違います。いつもは充血してません。
糸井 なるほど、なるほど。
重岡 ‥‥すみません。
糸井 そんな、右目の若干充血した
重岡さんをまじえて、
今日は話していきたいと思いますが。
ええと、どこからいきましょうか。
三谷 じゃ、僕と彼女の出会いからはじめましょうか。
一同 (笑)
糸井 いいですね。
じゃ、その回想シーンからはじめましょう。
重岡 あの、みなさん興味ないと思いますので‥‥。
三谷 重岡さんは以前、
フジテレビの映画部にいらっしゃって、
僕に「映画をつくりませんか?」と
最初に言ってくださったチームのひとりなんです。
重岡 いえいえ、私のことは‥‥。
糸井 じゃあ、そのときの
重岡さんの気持ちなんかを
くわしくうかがっていきましょう。
重岡 いえいえいえいえ‥‥。
糸井 まじめな話、重岡さんからすると、
当時、三谷幸喜という人が
映画を監督していなかったのが
不思議だったんでしょうね。
重岡 ‥‥はい。
糸井 で、三谷さんにオファーを。
重岡 そうですね。
あの、当時、私は
映画にずっと関わっていたんですけど、
いい脚本に出会えることって、なかなかなくて。
いってしまえば、
ボロボロの脚本を必死に映画にして、
それを宣伝しなきゃいけない、
みたいなことがとても多くて。
糸井 「ボロボロの脚本」(笑)。
いきなり本音を語りますね。
重岡 あ、すみません。
一同 (笑)
(つづきます)

2010-04-01-THU