糸井 |
今回の表現に、日本のアニメーションが
歴史的に行ってきたことの影響って
あったんですか?
任天堂には、宮本さんの大先輩にあたる
小田部羊一さん(註)という方が
いらっしゃいますよね。 |
宮本 |
小田部さんとは直接的なかかわりは
なかったんですけれども、
いろいろなアニメーションの表現からの
影響は、当然、あるんですよ。
けれど、それは、直接的なものでは、
まったくないんです。 |
註:小田部 羊一(こたべ よういち)さん。
1936年に生まれ、東京芸大を卒業後、
東映動画スタジオで、アニメーターとして
宮崎駿さんや高畑勲さんなどと作品を作ってきた人です。
作画監督代表作は「パンダ・コパンダ」、
「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」
「龍の子太郎」「じゃリン子チエ」など。
1985 年に任天堂に入社、
「スーパーマリオブラザーズ」などのビジュアル展開、
「ポケットモンスター」「星のカービィ」の
アニメーション監修などを務めています。 |
|
糸井 |
日本人が持ってる血が揃っちゃったってことだね。
日本のアニメーションの元祖、みたいなところから
受け継がれてきたものがあるんでしょうね。
歌謡曲を聴かないで育った子たちでも、
演歌の真似事を口ずさめって言ったら
できるのと、同じようなことでしょう。 |
宮本 |
動きにしても、
特にモデルはありません。
トゥーン・レンダリングとか
トゥーン・シェアリングっていうのは
いろいろ見たけれども、
動きも含めて、世界全体が
トゥーンで動いてるのは、
初めて見た、っていうふうに、
岩田社長をして、言わしめたっていう。 |
糸井 |
社長っ!(笑)それは、俺も思った。
僕は宮本さんたちほど、
いろいろ見てないけども、
今回のゼルダが動いているのを見て、
何これ!? と思いました。
さっき言った、
デザイン・マネージメントっていう概念が、
ここにあるのかな? って、
想像したんですね。
1枚を切り取って、
絵になってるように、
どうやって作るんだろう、って。 |
宮本 |
どうやって作るんやろね。 |
糸井 |
おいおい!(笑) |
|
宮本 |
だからもうデザイナーなんか、
さんざんですよ。
プログラマーとかプロデューサーから
「こんなの1コ作るのに半年もかかって!」
って怒られたりするわけです。
僕、なだめ役なんですよ、
まぁまぁまぁまぁ、って。
それの意味のあるとこも
ないとこもあるから、
っていうのが僕の立場で(笑)。 |
糸井 |
へぇー。
|
宮本 |
納期を仕切ってる人たちからしたら、
とんでもない時間配分なんですよ。 |
糸井 |
うーんうん。 |
宮本 |
だからわりと、今回って、
納期に対して時間が均等割じゃ
ないんですよね。
その、クリエイティブ量に合わせての
時間の割り付けなんです。 |
糸井 |
それ、ビューティフルだねー! |
宮本 |
過去の仕事ではなかなか、
計れない量なんですよね。 |
糸井 |
経験のない人には、
その見積もりって、
ぜんぜんできないですもんね。 |
宮本 |
うん。そうですよね。
現場がやり込んでるだけなんですけどね。
現場がやり込んでるのを、
どこで止めるかっていう人が
いるかいないかだけで。
たぶん現場だけでやってると、
あと1年かかっても
できないかもしれない。 |
糸井 |
ということはさ、例えば、
ある一部分っていうのが、
スタートしてから仕上がるまでに、
何日間で済ましちゃうみたいなことが、
しょっちゅうあったってことですよね。 |
宮本 |
中盤からそれを軸に、仕組みを立て直した。
だから、それが後半の1年なんです。 |
糸井 |
はぁーーー! |
糸井 |
たとえば、特殊効果の映像、ありますよね。
それを、主人公のキャラクターと
合ったものをデザインする、っていうのは、
ひじょうに分かりやすいんです。
だから、景色と主人公の
マッチングがデザインされてる、
ってことも、分かるわけです。
だけど、トータルに全部できてみると、
見事に、これは映画を
そのまま観てるんじゃないか、
って思わせるようにできてる。
そこに、俺らには分からない、
なんかダシがあるような気がするんですよ。
その、醤油だ砂糖だ何だっていう、
味付けの問題以外の、何かがね。
それって、作るためのツールが、
何かあるのかなー? とか、
想像ができないんですよ。
いつも見てる人がいて、
調整してるっていう答えですか? |
宮本 |
ひとつのパッケージとして
キチッと動くかどうか
っていうことに関しては、
もう完全に仕様を取りまとめる
ノウハウがあります。論理化ですよね。
メモリ・サイズをキチッと割るとか。
それから、矛盾がない状態に
仕組むっていう、設計ですよね。
けど、取りまとめたときに、
なんかひとつのものに見えるっていうの、
僕、やっぱりね、
そこがクリエイティブの量だと思うんです。
いつもそこが、僕は、
ちゃんときれいに割れてなくて。
クリエイティブの温度の高いものは、
ちゃんと設計をして、
最後固めてやれば、
心を打つって思ってる(笑)。 |
糸井 |
確かにね。名曲って、ヒットしてるもんね。 |
宮本 |
ただ、名曲でも、
イントロがあって、エンディングがないと
曲にならないですよね。
イントロもエンディングも
いらない曲もあるかもしれないけれど、
やっぱり、パッケージにするには
そこのノウハウがいるし。
アレンジャーがいて、まとめて。
だから、任天堂は、
プロデューサーとひとまとめに言ってるけど、
設計の取りまとめの
アレンジの部分をやってる人たちと、
クリエイティブの核になる部分を
やってる人とが、いるんですよ。
で、両方いないと、
こういうソフトは、できないんです。 |
|
糸井 |
それは、俺たちの知らないところで、
無数の「ボツ」(没)を感じるね。 |
宮本 |
ああ、そうですね。
ただ、企画書を書いてボツになったとか、
作ってボツになったっていうのは、
そんなにないんです。
アイデアの状態では、
ほとんど自分でボツを出してるので。 |
糸井 |
それを、チームのみんながやってるんだ!
すっごい育ち方したもんだねー、チームが。
ゲーム業界の中で、そこまでやってる人って、
そんなにいないと思う。
つまり、サイン出さずに、
バッターとランナーが、
盗塁のタイミングを図れるってことだよね。
俺、野球で思い出したけどね、
北野武さんとヤクルトの古田敦也さんの
対談があったんだよ。
それで、武さんが訊いたんだけど、
キャッチャーがサイン出してね、
アウトコースのカーブを
投げたとするじゃないですか、
右ピッチャーが。
そしたら、どうしたって、
球がライト側に行くから、
ライト側に守備位置寄ってる、
っていうようなことをしてるんですか?
って訊いたんですよ、ごく普通に。
そのくらいやってるんだろうな、って
感心したくて訊いてるセリフなんですよ。
そしたら、古田が、
「やってません」って言ったんですよ。
そのレベルだと、
サインが出てから認識するまでの間に
バッターに分かっちゃうんだって。
もっと複雑らしいんですよ。
そういうのを、選手同士はやってないんです、
って言ってる凄さを、感心したことあるんです。 |
宮本 |
任天堂のチームは、
新入社員とかもいますから、
全員が全員そうだとは言えませんが、
そのレベルだと思います。 |
宮本 |
チームの座談会であった、
望遠鏡の話ですが‥‥ |
糸井 |
リンクの妹が、リンクに、
望遠鏡を「あげる」と、最初、したことで、
宮本さんからダメ出しが出たという話ですね。
現場では、その意味を
深く考えていなかったんだけれど
あとになって、ものすごく重要な意味を
持ってきたっていう。 |
宮本 |
僕はね、現実に、妹のいる立場としてね、
兄貴はこんなもの貰わへんよ、って思う。
妹がこれを手に入れるために、
どんなことをしたと思うのか! って。
しかも、妹の方が、
そんな便利なアイテムを
兄貴よりも先に持ってるのはおかしいとか。
すんごい不自然じゃないか、
それはおかしいぞ、と。
だから、妹がくれたにしても、
妹がすごい職人のオジサンを知ってて、
そのオジサンが作ってくれた、とか、
何か背景があるやろ、って。
妙にこだわって(笑)。
で、言ったら高野が、
「借りたらどうですかね?」
って言うたんですよ、確か。
そのときにね、あ、もう決まり、って。
「借りた」でいい。
何でかっていうとね、
RPGって、「借りる」ってないんですよ。 |
糸井 |
ないね。 |
宮本 |
「ゼルダ」も全部、
物を宝箱から手に入れるんですよ。
だから、「借りる」っていいじゃない、って。
返さなあかんものを、
いちばん最初に貰って、
ずーっと持ってるって、いいじゃないって。
しかも妹は、さらわれる。
さらわれた妹のものを、
ずーっと持ち歩いてるっていうのは、
いいじゃないかって。
僕の中では高野から出た
「借りたら?」の言葉の状態で、
もう終わってるんですよ、ぜんぶね。
キーワードがひとつ出た時点で、
いま抱えてる問題はぜんぶ解決した上に、
将来なにかにつながるっていうことが、
わかるんですよ。 |
|
糸井 |
あうんの呼吸だね。
そういうキーワードが出るのは、
偶然なんだけど。 |
宮本 |
偶然なんです。 |
糸井 |
だけど、それが定着するときには
偶然じゃないですよね。 |
宮本 |
そういうことが、なかなかないんです。
ずっとNGが出てるネタって、
大概そういうきれいな答えが見つからず、
どっかで聞いたことがある、
任天堂なのに個性がない、
この物語にどうしても必要なネタでもない。
そういう答えしか出せていないネタを
「これ!どうです!!」って言われても、
何なんだかなーって(笑)。
そういうのの繰り返しでしょ? たぶん。 |
糸井 |
ゲームって作り手の都合で
どんどんできちゃうんで。
それに流されてくっていうのが、
いちばん怖いじゃないですか。 |
宮本 |
うん。 |
糸井 |
ゲームだけじゃなくて、
あらゆる物事とか、
流通なんてそうですよね、特にね。
それを、どこの視点で見てるか?
っていったら、お客さんですよね。
お客さんが変に思うかも、って。
そこらへん、宮本さんの
もともとある個性、だね。 |
宮本 |
うーん、何なんでしょうね。 |
糸井 |
それがうつってったんだろうね、
みんなにね。 |
宮本 |
どうでしょうね。
ま、そこは、わからへんですね(笑)。
何でなのかな?
よく言うのは、子供であるリンクが、
夜中にどっかの建物に入ったら、
店が開いてたら、おかしいって。 |
糸井 |
うんうん。 |
宮本 |
夜中にやってる店はないやろ、って。
しかも店のオジサンがいきなり、
「坊や」って。「何か買うかね?」
って言うんですよ。
やっぱりそういうセリフは
我慢できないんですよ。
夜中に子供が来たら、
「こんな夜遅くに、どうしたんだい?」
ていうのがセリフやろ、って。
どうしてそれをまず書かへんの? って。
書いた結果ね、やっぱりここは
便宜上こうしましょう、っていうのわかるけど、
スクリプト・ライターっていう人たちが、
そこの情景を書かずに、
どんどん書くんですよ。
で、それは何かというと、
ゲームのお約束があるから、
書けちゃうんですよ、ぜんぶ。 |
糸井 |
都合ですよね、ぜんぶ。 |
|
宮本 |
それでダッと書いたものって、
ほんっとに面白くない(笑)。 |
糸井 |
宮本さんの個性だと、
そういうふうにやるけど、
俺だと、そこは変だって思ってから、
「わざわざこんな夜中に来やがって」
って怒らせるかもね。
そこに書いた人の個性が出ますよね。 |
宮本 |
そうです、そうです。
一言入れるだけで、大人も、
「わかった」って、
あうんの呼吸で進むわけですよ。 |
糸井 |
うん、共犯になるんですよね。 |
宮本 |
だけど、それをマジで、
真顔でやってるって思われて、
恥ずかしくなるよ、って
すぐ思ってしまうんで(笑)。 |
糸井 |
は、そういう進化はあるね、
今回の「ゼルダ」。 |
宮本 |
あ、そうですか! |
糸井 |
僕はいままでの「ゼルダ」に弱いものは
テキストだと思っていましたから。 |
宮本 |
それがないようにね。 |
糸井 |
うんうん。 |
宮本 |
後半に僕、ザーッとチェックしたんです。
またいっぱい直さなあかん、と思って
読んだら、このテキストOKや、
って思って(笑)。
僕が書くよりいいわ、って(笑)。 |
糸井 |
いま悩むのは漢字の配分だけだね。
どのくらい、どう漢字使うかって、
きっと書いてるやつは、悩んだろうね。 |
宮本 |
漢字書いて、ルビ打ったんです。
ルビ打ってあるから大丈夫、
って思ってるんですよ。
でもね、ルビがほんとに、
ひらがなとして読めてるかどうか。
僕らって、漢字読めるから、
ルビが潰れててもルビわかるでしょ?
けど、多分ね、デザイナーは、
この漢字が読めない人が、
このルビが読めるか? っていうふうに
見てないんちがうか?って、詮索するのね。
みんな自分を基準にした視点でものを見てて、
わがままなもんなんですけど、
それをどんだけ捨てられるかっていうのが、
クリエイティブ違うか、
と思ってるんですけどね。
僕が見つけた所は指摘するんですよ。
「そんなこと言ったら、
宮本さんの仕事の中にも!!!」
って言われるのが
いっぱいあってね、もう(笑)。 |
糸井 |
お互い様だけど、
それは気づいたらしたほうがいい、
ってことですよね。 |
宮本 |
そういうことを
ちょっとわかってるだけでも、
気の利いたものになるというか。 |
宮本 |
とくに僕、デザイナーなんで、
デザイナーのエゴとか
わがままとか都合でできてるものには、
すごい厳しいんですよ(笑)。
バサバサ変える。 |
糸井 |
はぁーーー! |
宮本 |
「いや、それは」、って言われると、
パソコンソフトでやってんねやろ?
変えるのは簡単だよね!?
とバッサリ(笑)。 |
糸井 |
宣伝とかチラシとかになったら、
もっとすごいだろうね、宮本さん。 |
宮本 |
(笑)いや‥‥偉そうに喋ってるね僕(笑)。
糸井さんから訊いてもらうと、
いろいろ喋る(笑)。 |
糸井 |
今まで宮本さんが、
ハッキリしないけど思ってたこと
っていうのは、もう今じゃ、
ぜんぶハッキリしたって感じがするね。
みんなに説明し続けたんだろうな。 |
宮本 |
そう、説得し続けてね。
もうみんな、次の打ち合わせがあるから、
席立ちたいなーっていう顔を
してるのがわかるんですよ(笑)。
もうちょっと喋っとこ、と思って(笑)。 |
糸井 |
サービスが大事だ! とか、
愛だ! って言ってもさ、
困るじゃないすか、言われた方は。
でも状況に応じて、
1回ずつ言ってくと、
足し算されてわかることがあるっていう、
ことですよね。
やっぱり、僕は何もしてへん、
っていうわりには、
チームのみんなと、
相当近いところにいた感じがしますね。
部屋はどうなってるんですか? |
宮本 |
いま4つの部屋に分かれてるんですけども、
制作のディレクターとかがいるのはぜんぶ、
僕がいる部屋にしてあるんですよ。 |
糸井 |
コーチを集める会議が、
いつもできるわけだ。 |
宮本 |
そこに入れるぶんだけ、
残りのアーティストとプログラマーが入ってて。 |
糸井 |
それは全部で何名? |
宮本 |
僕のいる部屋は、1部屋で80人ぐらいかな?
そこの部屋に、
4ブロックか5ブロックほどあって、
その中を、僕はウロウロウロウロ歩いてる。 |
|
糸井 |
また、ぐるっと戻るんだけど、
チームができたところで、
コンセプトがどうだとかなんて
話し合いはするんですか? |
宮本 |
うん。そういうの何回かします。
ただね。僕は5人ぐらいでしたいんですよ。
けどみんなね、30人とか集めるんですよ。
「全員に聞かせときたいんで」って。
全員が入る会議室での会議になるとね、
すごい御報告申し上げますみたいな
会議になるんですよ。
だから僕はあんまり決まった会議を
持たないように、
ちょこちょこやってるんですけど。 |
糸井 |
てことは、
実際には30人の会議もあったんですね。 |
宮本 |
何回か。
今回はこれで行きますっていう報告は、
当然、全員集めてやるし。
その前にどっちかって言うとね、
青沼など、ディレクターから
どうなってるか説明してよっていう
ミーティングが多いかな。
それにたいして僕が
ああだこうだ言うんですね。
そうすると、それをチームですり合わせて、
もうこれぐらいじゃないとできないですよ、
というところまで進めて、持ってきますね。
アートの決済とかも
春花が紙ぺラ持ってくるとかいうのが多い。
5枚ほど持ってくる時もあるし、
1枚だけの時もあるし、
添付ファイルで来て、
自分で見ときなさいみたいなのもあるし(笑)。 |
糸井 |
アットホームなコミュニケーションで
ずっと進んでるってこと? |
宮本 |
僕が席に行くことの方が多いよね。
突然行くんですよ。
どうなってる? どこまでできた? って。
みんなはその時に
ひっくり返されるとか言うんですけど…。 |
糸井 |
ていうことは、こうしよう、っていうのは、
宮本さんから出るんじゃなくて、
チームから出るんだね。 |
宮本 |
ここだけは我慢できないところだけ
直すんですよ。 |
糸井 |
うん。うん。うん。 |
宮本 |
今回の「風のタクト」なんかになると
僕があんだけのシナリオなんか
絶対書けないですね。 |
糸井 |
僕はこの間のテストの時に、
魔獣島にやっと行き着いたんだけど
あそこは全体の何分の一ぐらいなの? |
宮本 |
5〜10%くらいかな。
あれが終わってからが本領ですよ。 |
糸井 |
あれで十分面白かったんだけど。
一切触らないでいて、
さあやるぞって初めて触ったんだけど、
途中で何回か、
オレもうこれで終わりって言われても
いいやあって思ったよ。
つまり先がいっぱいありそうだから、
いつまでもやってたいなあって気持ちよりも
その時その時がけっこう面白いんだよ。
あれ、前から宮本さんのゲームって
そうなんだけど、
1ラウンド、2ラウンドみたいに
マリオで言うとステージになってますよね。
そのステージがないから、
今日はここまでにしとこうっていうのが、
凄く言いやすいと思ったよ。 |
宮本 |
全然、ストーリーで
引っ張ろうとしてないですからね。
パート、パートを面白く作ろうとしてるので。
だから僕もぞっとするのね、今度の物量は。
量が多いっていうのは、
昔は売りになったんでしょうけど
今はね、量が多いっていうことが
かえってマイナスになるので、
あんまり量が多いって受け取らずに
いつまで遊んでいても大丈夫って言いたい。
本当にパート、パートが面白いですよ。
敢えて言えば、難関をクリアしても
また足留めがあるっていう、
連続の謎掛けみたいな
そういう濃さがちょっと恐いぐらいで。
延々とステージが続くゲームで
100ステージありますみたいなゲームとは
違う良さがあるはずですよ。 |
糸井 |
寄り道をさせるようになってるけど、
しなくても別にかまわないんですよね。
俺も何度か、
そうだオレ妹を助けるんだって…
何回か言ったよね。
こんなことしてる場合じゃないって
言ってるわりには、寄り道してるんですよね。 |
宮本 |
みんな心配したんですよ。
海をただ船で走るだけで
面白いのかってね。
ところが完成の数カ月前に、
海はこのままではいかん。って。 |
糸井 |
面白くなかったの? |
宮本 |
いや、みんなが
「海が心配、海が心配」って言うもんで、
海が濃すぎて。海を薄めろって。 |
糸井 |
塩分過剰! |
|
宮本 |
でもね、最終的には、
必要なイベントがあるんですよ。
何も寄り道せずに行くとね
中盤の手前で、
延々とイベントを
せなあかんようになるので、
まあ気の向くままに
遊んでもらった方がいいです。 |
糸井 |
攻略本ない限り
終わらないやり方してるんじゃないかと
思うんだけど、
でも今日やめて、
明日どうしてもやんなきゃなって
仕事じゃないんだからって思ったね。 |
宮本 |
だから「どうぶつの森」みたいに
毎日ちょっとずつやってもらってもいいですね。 |
糸井 |
さっきから宮本さんと話してて、
何せ今回は、絵をどうするかのところが
もうコンセプトから
アイディアからいろんなものを含んで
大きな問題だったってことだね。 |
宮本 |
そうですね。 |