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『ほぼ日公式ラーメン・サルのおせっかい』 本格発売! コンビニで買えるようになります! |
「ほぼ日」創刊の1998年6月6日、 darlingは「糸井重里の脱線WEB革命」で こんなことを書いてます。 「働くのが流行っている」 なんてったって、いまいちばん流行っているのは 「働くこと」なんだと思う、と。 創刊した日に書いているくらいですから 「働く」ってことについて考えるのは、 「ほぼ日」の大きなテーマなんです。 働いている人たちのなかでも とりわけ忙しい人に向けて作った この「サルのおせっかい」というラーメンは そもそもどのようなラーメンだったのか? 忘れてしまった方や 最近、「ほぼ日」読者になった方のためにも ここで、もう一度おさらいをしておきましょう。
2001年の4月に 「ほぼ日」の代表窓口メールアドレスでもある postman@1101.com宛てに 日清食品の筒井之隆取締役広報部長(当時)から 「サイトラーメン共同開発のご提案」という メールが届いたのがきっかけで 「ほぼ日で公式ラーメンを作る」という プロジェクトが生まれました。 当時の筒井さんは日経流通新聞に掲載していた darlingの対談記事を読んで「ほぼ日」を知り、 すぐにメールを送ってくださったのだそうです。 いまとなっては、その迅速な行動力には驚くばかりです。 (参考:第一回 直通ってすごいなぁ!) 当たり前のような話ではありますが どんなラーメンを「ほぼ日」は作るべきか? ということから考え始めました。 当時、出たアイデアは、いま読み返すと、 見るも無残です。 ・替え玉・一本うどん・カスタマイズラーメン ・どんぶり付きラーメン・デザートヌードル 素人以下のアイデアが満載です。 (参考:第三回 本当につくることの難しさ。) 袋小路に入っていたスタッフ達を前にして、 darlingが、こんな話を思い出しました。 カメラマンの十文字美信さんが アシスタントからフリーとして独立する時に インスタントラーメンを半年分買いだめして 『もう、食う心配はない。 あとは写真のことを考えるだけだ』と 仕事に打ち込んだというエピソード。 (のちに、十文字さんご本人から、 「あれは、ラーメンじゃなくて焼きそばだった」と聞いた) 「ほぼ日」が作るラーメンは いま、打ち込んでいる何かがある人、 いま頑張ってる人を応援する食べ物だ、 というコンセプトの原型が生まれたのでした。 (参考:第五回 ラーメンをdarling がヒイキする理由) 次に取り組んだのが味の決定。 さまざまな味のインスタントラーメンが乱立する中、 「とにかく、定番になりうるような直球派で」 ということだけは決まっていた。 その意味でも、日本人の一番好きな味といわれる 「しょうゆ味」をベースにすることに。 さらにチキンラーメンやカップヌードルにも共通する 「香ばしさ」を追求して行こうということも。 「香ばしさ」を演出するために、さまざまな試作の結果、 ローストガーリックがキャスティングされたのでした。 ニンニクはスタミナの素でもあるし、 それこそ、がんばっている人のお役に立つ。 そして、「こんがりガーリックしょうゆ味」という このラーメンの性格も決定したのでした。 (参考:第六回 香ばしいで行く。) さぁ、味は決まった。 「ほぼ日」を知らない人にも このラーメンは買ってもらいたい。 そのためには「ただおいしいだけ」 「おさるがついているから」っていうのは 買う理由にはならない。 「こんがりガーリックしょうゆ味」のラーメンを どんなかたちで販売すべきか? というテーマで練りに練り上げた6つの企画をもとに、 日清食品とのミーティングがくりかえされました。 (参考:第八回 デザインが見えてきたぞ!) 6つの企画のうちの中でも 【企画その4】にあたる
という企画に至っては いま、読み返すと、まともな大人の考えとは思えません。 「のびないように気をつけて」って・・・・! そんなおバカな企画にまぎれていましたが、 本命として提案したのは、 ラーメンに気功の「気」を入れる 「気ラーメン」という企画で すすむことになったのでした。 (参考:第九回 まったくなかったモノの強さ!) 当時の企画書を掘り起こすと このように書いてあります。 【企画 その6】
この企画を推し進めるにあたって 日清食品広報の松尾さんと一緒に気功教室に行って 実際にカップヌードルに 「気」を入れてもらってテストもしてみました。 当時のコンテンツでは掲載してないんですけど カップヌードル全体に「気」がはいっちゃうと なぜかカップヌードルの味が、どういうわけか いつもの味より弱くなるんです。 これは「気」が、何らかの影響を 及ぼしているのでは? と判断した我々は 「おサルのなると」こと「サルと」だけに 「気」を入れれば、 全体の味に変化が無いという実験も 行っていたのでした。 そうやって進めていた「気ラーメン」企画は 発売直前に頓挫してしまいました。 (参考:第十回 気ラーメン座礁する!) この時ばかりは落ち込みましたが 普段、ラーメン屋でラーメンを食する時、 後半に酢を入れることが多いというdarlingによる 「ラーメンにレモン果汁を入れる」アイデアが その危機を救いました。 な、なんと、レモンの酸味がスープのコクを さらに引き立ててくれることが、 あらためてスタッフ一同を感動させました。 しかも、後味もさっぱりする! ちょっとしたアジアンテイストも感じられるし。
さらにおいしくなった上に ビタミンCも入って健康にもいい。 『忙しくて食事の時間を十分にとれない人達を 応援(サポート)するための食品』 というそもそものコンセプトを さらに骨太にするこの商品は、ここで立ち上がったのです。 酸味の成分は、ふだん摂りにくいビタミンC。 ビタミンCを入れないで食べても文句なし。 香ばしい「こんがりガーリックしょうゆ味」のままでも 十分おいしいラーメンなんだけど、 酸味をつけたらもっとおいしいよ、と。 さらにビタミンCも摂れるんだよ、と、いうわけです。 ネーミングは、darlingの本職。 どこにもなかったけど、納得な名前が決定しました。 『サルのおせっかい』 「ほぼ日公式ラーメン」は、『サルのおせっかい』 として再出発したのでした。 (参考:第十一回 ほぼ日公式ラーメン怒濤編) この「レモン果汁を入れる」というアイデアは、 日清食品の開発担当小山さんの手によって 酸味のレモン果汁の粉末スパイス (通称:スッパイス)という形として 実現に成功しました。 さらにこのスッパイスを入れた小袋を darling は「おせっかいぶくろ」と命名。 難産の末、ようやく発売することまでに こぎつけたのでした。 一度は頓挫した「気」を入れるというアイデアも そののち、「ほぼ日元気ハラマキ」として 日の目をみることとなります。 このあたり、一滴のアイディアもむだにしない 「ほぼ日」の本領発揮、という一例であります。 (参考:第十二回 レモン果汁のおかげで、 おいしさまで!) ようやくこぎつけた 販売当日、限定5000ケース(12食入り)で 日清e-めんShopで販売したところ 販売開始直後から、アクセスが集中しすぎて サーバーがダウン。 販売再開後も数時間で完売してしまいました。 もともと、読者の期待も高かったこともありますが 同時期に「笑っていいとも!」で このラーメンのことを告知したことも 台風のような追い風となった原因だったようです。 (参考:第十六回 「先行販売分完売しました!」) おそらく、ほとんどの読者の方が 手に入れることが出来なかったことと思います。 ふ〜う、駆け足で この『サルのおせっかい』を振り返ってみました。 なにせ、最後の思い出は、通販ですぐ売り切れて、 「買えない」と叱られた日のことですねー。 過去にほぼ日が扱った商品史上、 最も、読者の方に叱られた商品でもありました。 「食べ物の恨みは怖いんだよ」と、 ぽつりとdarlingがこぼしたことも いまではしょっぱい思い出です。 でも、もう、そんなことはありません。 みなさまに叱られない数も生産しております。 この原稿を読んでいるいまも 日清食品の工場で生産中、だと思います。 これからは なぜ、ここまで1年間もの歳月がかかったのか? 改良って何を改良したのか? というようなことをお伝えしていきますね。 (つづきます!) |
2003-06-06-FRI
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