ううーん‥‥。

やっぱりどうしても、
内省的になっちゃうなぁ。

「俺が悪いんだ」みたいなこと？

はい。
「私がこういうことを考える資格があるだろうか」
みたいな思考になっちゃって、
そのあとの考えがぜんぶ
素通りになっちゃうんですよ。
うまく感想を言えるかどうか‥‥。

うーん。

うーん。

それではまず、映画を観て
第一印象がどうだったか、
みんなで言ってみましょう。
この映画は、
読者の方からおすすめいただいたことがきっかけで
イトイさんはじめみんなが観たんですが。

私は、さっき観たんですけれど。

さっき観たんだ！

はい。

さっきね！

さっき観たのかぁ。
うん、うん。

はい。結構どーんと来てます。
まず、あんなにリアルに数字が出てくるとは
思わなかったから。

そうなんだよねぇ。

１日1,000匹、
犬と猫が殺処分されていっちゃうんだ。

そう、１日1,000匹‥‥
あとは、個人的には、徳島の女の子たちが
拾った仔犬たちを育てているところで
「もらってほしくて」って言ってたのに、
実際に犬がもらわれていくときに
すごく泣くんですよね。
あそこでウルッときて（笑）。

あそこで？

わかる。
あれ、号泣だよね。

さんは、どうでした？

私も、映画に出てくる具体的な数字に
まずはびっくりしました。
○×県は処分がすごく減って
これくらいになりました、
という数字が、
ぜんぜん少なくなくて。
もうそれからほんとうに
ずっと心に引っかかってます。
犬や猫のこと‥‥何ができるのかしら。
早くイギリスを見習いたい。

イギリスを。

映画の全体的な印象は？

よかったよ！
人にすすめたいし、もうすすめた。
すごくよかった。

よかったよね‥‥

うん、すごくよかった‥‥

オレも。オレもすごくよかった‥‥

みんな、よかったんですね。
イトイさんは
まずどんなことを思いました？

うーん、あのさ、
子どものときって、やっぱり
感情的だし、無責任だよね。

はい。

だから、
「犬を飼ってよ、飼ってよ」とか、
「ぼくが面倒見るよ」とか、
きっとみんな、言ったことあるんだよね。

ありますね。

そこで、大人は必ず、
「そんなこと言ってても
　ぜったい面倒見られないんだから」
と言うんです。
そして、実際は、
大人の言うことが正しいのです。

そうなんですよね。

だけど結局のところ、
人間は大人になっても、
「子どもの部分」があると思うんです。
だから、
「キャー、かわいい。飼ってみたい」
という気持ちは、大人にもあります。
そして、どうしていいかわかんなくなって
捨てちゃうという、
小学生がやっちゃうようなことを、
大人もやるのです。

うん、うん。

そこでね、ぼくがこの映画を観て思ったのは、
「オレはいつ大人になったんだ？」
ってことなんですよ。

大人に‥‥。

ね？
子どもであることも
素敵なことがいっぱいあるし、
大人になんかならないほうが
いいこといっぱいあるんだけど、
自分より弱いものとの関係では、
大人にならないということは
いけないことだと思ったんだよ。

ふむふむ‥‥

ぼくはいつか、
犬に関しては大人になったかもしれない。
だけど、それだって、
ずいぶん後でなったんだと思います。

大人にならないといけない関係‥‥。

（つづきます！）