ほぼ日刊イトイ新聞- 社長に学べ！

久しぶりの「社長に学べ！」にご登場いただくのは
「ほぼ日手帳」でもおなじみ、
株式会社ロフトの取締役相談役・安森健さん。
いまや全国50店舗にせまる雑貨チェーンの創業社長が、
西武百貨店時代のエピソードから「新宿ロフトの失敗談」まで、
おどろくほど率直に、しかも合計３時間半にわたり、
しゃべりにしゃべってくださいました。
なお、糸井とは「西武の時代」からのお知り合いのため、
とっても大事なことを話しているのに、
なつかしい友だちとしゃべっているような、
「ほのぼの感」がただよいます。
どうぞ、最後まで、おたのしみくださいね。


糸井	いやー、気づけばもう‥‥３時間半です。
安森	すいぶん、しゃべりましたねぇ。
糸井	でも、安森さんくらいの年代でこれほど率直に自分のことを語る人ってなかなか、珍しいと思うんですよ。
安森	だってさ、かっこつけたってしゃあないからね、今さら。
糸井	いや、かっこいいなぁ。
安森	さっきの話でいうとさ、本来、「珈琲は乳白色のカップで飲む」のがうまいんだってことも娘にはウルサく言ってこなかったんだけど、それも、よけいなこと言って、嫌われたくなかったからだしねぇ、思えば。
糸井	うわー‥‥、それをあっさり言える人って、ちょっといないと思いますよ（笑）。
安森	反省はしてんのさ。
糸井	でも、ほんとは「好かれたくて」なんだ。
安森	もちろんです。
糸井	犬や猫との関係でも、好かれたくてやってますからね、ぼくらは。
安森	いまだに、娘に媚売ってるしね、オレ。
糸井	そうですか（笑）。
安森	でもね、イトイさんさ、最後にちょっと言わせてほしいんだけど‥‥。
糸井	どうぞ。
安森	いちばんはじめに「ほぼ日手帳」をロフトでって言われたとき、ぼく、本当にうれしかったんです。
糸井	それは、本当に光栄です。
安森	だって、あの当時、文具のナンバーワンってまだ、東急ハンズだったんですよ。
糸井	あ、そうでしたか。
安森	たしか「ハンズは扱うの？」って聞いたくらいで。
糸井	‥‥安森さん、ウチの手帳をロフトで扱っていただけることになった理由って、ご存じないですか？
安森	ん？　‥‥知らない。
糸井	ロフトが新商品を募集してたからなんです。
安森	え‥‥そうなの？
糸井	そう、「ほぼ日手帳」を持って、ロフトさんの列に並んだんですから、ぼくら。
安森	そうだったんだー‥‥。
糸井	「ロフトで新商品を募集してるらしいぜ」ってだれかが聞いてきて、「じゃ、手帳を持って行ってきまーす」ってウチの手帳の担当者が、おうかがいしたんです。

安森	それがそもそもの始まり？
糸井	そう。
安森	うわー‥‥初耳。
糸井	いい話でしょ。
安森	いや、それは楽しい話だ。
糸井	ぼくもね、大好きなんです、この話。
安森	売れると思ったんだろうね、現場が。
糸井	だからもう、ありがたかったですよね。「プロに認めてもらえた！」って。
安森	いやいやいや‥‥そうですか‥‥。
糸井	最後の最後に、告白になってしまいました。
安森	おどろいた。
糸井	今日はたくさんお話ができて、楽しかったです。
安森	いやぁ‥‥いろいろしゃべったですね。
糸井	奥さんのお話とか、娘さんのお話とかふくめてね（笑）。
安森	オレ、どんなこといってたっけ？娘が読んでも‥‥大丈夫かな？
糸井	おもしろかったですから、平気でしょう。
安森	オレね、だいたい２週間くらい先までの予定表を家に置いてあるんだよね。今日のところには「イトイさんと対談」とかって書いてあるから、カミさんが「お父さん、かっこいい！」って。
一同	（笑）
安森	だから、もう、娘も知ってると思うんだよな。今日、イトイさんと対談してるってこと。もしもヘンなこと書かれちゃったらさ、オレもう、口聞いてもらえないよ‥‥。
糸井	まぁ、そのへんは、大丈夫なように（笑）。
安森	うーん、まいったなぁ‥‥。
糸井	（笑）

＜終わります＞
2008-08-26-TUE