エナガのねぐら。  カワイイ小鳥の観察記 フロム富士山麓
ちいさくて、まるくて、ふわふわしてて、つぶらな瞳。 エナガ、ということりがいます。 そのかわいさに夢中になってしまった 写真家の松原卓二さん(富士山麓在住)は、 「エナガのねぐら」をほぼ毎日、探し歩いているのだとか。 ギュウギュウに並んで眠る、 ものすごーくかわいい群れの写真を撮るために。 その1枚を、撮るために‥‥。 撮れるかもしれないし撮れないかもしれない。 結果はどうあれ週に一回お届けします、 松原さんのエナガ観察記。 思い入れたっぷりのエナガ・エッセイも、どうぞ。
松原卓二さんのプロフィールはこちら
 
北海道シマエナガ探索の旅・後編 観察日 2013年9月27日 − 2013年9月28日
 

お待たせしましーた!

今週は「北海道シマエナガ探索の旅」後編であります。
前編、3日目に見事シマエナガとの邂逅を果たし、
ガシャガシャと500枚ほど撮影することができました、
めでたしめでたし……の、続きであります。

 

【4/5日目 根室市周辺】

昨日の戦果に気を良くした私は、
早朝から根室市「市民の森」へ
もう一度行ってみました。

そしたら、驚いたことに、
入り口んとこで、
出迎えてくれたんですよ。
シマエナガの群れが。

▲根室のシマエナガ。おはよー!

▲後ろ姿。

真後ろから見ると、
本州のエナガとまったく同じデザイン。
たぶんこの角度だと見分けがつきません。

▲うしろあたま。

まるで雪を戴いた富士山、
みたいなシマエナガの後頭部。
なんだかよくわからないのだけれど、
どことなく、ユーモアを感じる形状です。

そんなこんなで、
根室市・市民の森にて、
シマエナガの写真を約200枚撮影いたしました。
すばらしい!

撮影旅行というのは不思議なもので、
一度ツキはじめると、次から次へと、
望みの被写体に出会えることが多いです。

だから途中までぜんぜんダメでも、
くさらずに頑張る。
これが大事ですね。

この日の午後は、ロッジから見える風蓮湖の対岸、
砂でできためずらしい地形の春国岱を歩いてみました。

▲春国岱へ入る桟道。

いつものカラ群がたくさんおりましたが、
シマエナガの姿は見当たらず。

そのあと、再び納沙布岬へ。
お目当ては、そう、野生のアザラシです。

▲いた!ゼニガタアザラシだ!

2日目に訪れてちらっと見えた丸い頭は、
ゼニガタアザラシでした。
強風で波が高い中、
ぷかぷか浮いたり水中に潜ったり、
なんだか気ままに暮らしている感じでした。

風蓮湖に帰還したのはもう日暮れ時。

▲ロッジの前にタンチョウ。

▲風のない穏やかな水面を、カモがスイーっと横切ります。

▲着水する三羽のカモ。

今日も良い一日でした。

 

【5/5日目 中標津と釧路】

北海道シマエナガ探索の旅もいよいよ最終日。
群れのテリトリーが安定しているように思えた
中標津・森林公園でもう一度シマエナガを探すことに。

▲森林公園のキャンプ場前広場。

このキャンプ場の奥には渓谷があり、
細い川が流れています。
その川の上に桟道がかかっていて、
そのあたりから山の上にかけてが、
シマエナガの縄張りのようです。

縄張りを歩いていると例によって
カラ類が出現します。

▲これがゴジュウカラ。

ゴジュウカラは、
木の幹を歩いて垂直に上り下りできたりとか、
ちょっとした岩の窪みにエサとなる木の実を
固定しておいてから、クチバシでつついて
割ったりとか、とにかく器用な鳥です。
我が屋のある富士山麓にも住んでいます。

今回の目標であるシマエナガをすでに撮影しているので、
余裕をかましてゴジュウカラとかハシブトガラなどを
丁寧に撮っていたところ‥‥

いよっ!
でました!
シマエナガ!

白い顔に黄色のマブタが栄えますね。
しかしながら、まだ気温が高いせいか、
あまり丸くなくてシュッとした感じ。

▲薮の中で羽づくろい。

まっしろなヒヨコみたいです。
こりゃーたまらぬ。
たまらぬー。
とかなんとか言いながら、
最終日も無事に撮影できました。
めでたし。めでたし。

いざ帰らん、と釧路空港へ向かう途次、
少し時間があるのでタンチョウを見ようかな、と
釧路市丹頂鶴自然公園へ向かいました。
駐車場に車を止めて、
ドアを開けた途端に

チュルリ!

▲おおー、ここにもシマエナガがー!

この駐車場では、
20羽以上のシマエナガが入り乱れて、
賑やかにワイワイ騒いでおりました。
小群同士がまざりあって、
ちょっとしたケンカ騒ぎが
あちこちで起っているような、
そんな感じです。

いやあ、いるところには、いるんですねー。

▲ちょっと汚れたワイルドなシマエナガ。

以上、北海道の道東地方、
釧路、根室、中標津でシマエナガを探した
5日間のレポートでした。

前半はどうなることかと思いましたが、
なんとか巡り会い、撮影もできました。
そして、写真集「エナガのねぐら」の中に
シマエナガのコーナーを作ることができました。
よかった、よかった。ありがたやー。

しかし!

まだ9月の末、気温が高いので、
出会ったシマエナガはみな、
シュッとした細身系でした。
それがいささかの心残りでござる。

真冬の、凍死してしまいそうな極寒の環境で、
まるまるの、モフモフの、
ふっくら膨らんだシマエナガを、
いつか撮影せねばなりません。

こうなったらもう、北海道に移住して、
また二年間くらいシマエナガを追いかけて、
写真集「シマエナガのねぐら」を作りたいですね。
作らないといけませんね。
作るしかないですね。
いつか、絶対に作ります!

というわけで、
連載「エナガのねぐら。」は、
これにておしまいです。

それではまた会う日まで、
エナガスキーのみなさん、
おたっしゃでー!!

写真集「エナガのねぐら」プレゼントへのご応募、
そして、嬉しいご感想をたくさんいただきまして、
まことにありがとうございます。

ご応募のメールも、ご感想のメールも、
すべて正座で読ませていただいております。

ここで、いくつかご紹介させてください。

 


こんにちは!
ごはん食べながら「ほぼ日」見ておりまして、
思わずお箸の動きが
とまっちまうぐらいの可愛らしさに、
すっかりヤラレちまいましたこんな昼にございます。
可愛すぎて可愛すぎて、
でんぐり返りしたくなります(しないけど)

エナガも可愛いですが、
ほんとに冬の時期の鳥はどの子も
めちゃくちゃ可愛いですよね!
鳥のお尻が大好きなんです……。

なので、応募させていただきます。
当たったらマジででんぐり返りします(マジです)

(まき)さん

 

私も鳥のお尻が大好きです。
エナガのお尻もけっこうかわいいけれど、
カモやアヒルのプリプリしたお尻とか最高ですよね。

 


連載中、ついつい見てしまうコンテンツでした。
勉強の合間になんとなく、
ふわふわした、あったかい気持ちになれて
好きでした。
今年の4月就職したばかりで、
昼休みになんとなく、見てみたら、ひさしぶりに、
ふわふわの彼らをみて、
ほっとしたきもちになりました。
責任ある仕事をまかされていて、
ちょっと気がはっていたので、
肩の力が少し抜けて、
良いタイミングで見れたなぁと思います。
こうして本になったことで、
エナガさんたちの魅力と癒やしが、
多くの人たちに届きますように。

(みとこ)さん

 

とどきますようにー!

 


はじめまして。
今日、本屋さんで見つけて買ってきました。
夫へのクリスマスプレゼントにするつもりで
買ったのですが、
その前に娘と二人で
キャーキャー言いながら読みました。
あげるのが惜しくなってしまいました。

わたしたちはソフトな感じの
バードウォッチャーなので
エナガが大好きです。
しっぽの曲がった写真もあって、
すごく嬉しかったです。
愛にあふれた本を作ってくださって
ありがとうと言いたいです。

(ひたき)さん

 

キャーキャー言ってもらえて超幸せ。
私もソフトなほうのバードウォッチャーです!

 


エナガのコンテンツ、毎度興味深く読んでおります。
私は長野県に生まれ、
大学院まで生物学を学んだ動物好きです。
現在では、アカデミックの道を離れ
食品メーカーに勤めておりますが、
その時のアツい思いが蘇るような感覚がします。
こういった写真集を通じて、
生物・さらには生態系に対する興味関心が高まり、
正しい理解が深まることを期待しております。
純粋な興味・関心のもたらすエネルギーは
偉大なものです。

(アツいの大好き)さん

 

ユルい文章ばかり書いている私ですが、
動物の生態観察にあたっては、
できるだけ科学的にあろうと努力しております。
生物の研究を専門にされておられたお方にも、
その姿勢は伝わったのかな、と思いますと、
私の胸にもアツいものがこみ上げて参ります。
うおー!

 

写真集『エナガのねぐら』出版と、 読者プレゼントのお知らせ。


※この募集は終了いたしました。
 たくさんのご応募ありがとうございました。

 

じゃじゃーん!
こちら▼が写真集「エナガのねぐら」の表紙であります。

『エナガのねぐら』 東京書籍/1470円(税込)  2013年12月16日発売予定

Amazonでの予約・ご購入はこちら

すっかり樹々の葉が落ちた真冬に、
食べごろのシワシワになった
ムラサキシキブの実を食べんとするエナガです。
かわいい顔、つぶらな瞳、枝をがっしりと握った両足、
ふわふわの羽毛、ピランと開いた尾羽と、
(自分で言うのもなんですが)
たいへん魅力的な表紙となっております。

内容はもちろん一冊まるごとエナガの写真集。
本連載に登場した写真はもちろん、
この1年あまりで新たに撮り下ろした
チョー可愛いカットが満載です。
また、エナガの住む森の四季折々の風景や、
にっくき天敵、混群の可愛い仲間達といった写真や、
この秋北海道で撮影したシマエナガの写真も収録しました。

キャプションというには多すぎる大量の解説文は、
もはや生態観察記録文書と言っても過言ではありません。
とはいえ例によって
「胸がキュンとなる」だとか「コッチ見ないで」だとか
「や…やめろ! 殺す気か!」などと、
力が抜けそうなユル文がちょいちょい混ざりますので、
のんびりまったりとお読みいただけます。
巻末「エナガを探そう」のコーナーでは、
エナガの探し方のコツを伝授いたしますぞ。



▲こちらがもくじ。クリックすると大きな画像でご覧いただけます。

今回はこの写真集を、
「ほぼ日刊イトイ新聞」の読者5名様にプレゼント。
応募要項は次の通りです!

PRESENT 応募要項

・下の応募ボタンをクリックしてたちあがるメールに、
 感想をお書き添えのうえご応募ください。
 このコンテンツの感想、
 写真集『エナガのねぐら』を読んでの感想、
 どちらでもOKです。

・感想をご紹介することがあるかもしれませんので、
 ハンドルネームもお忘れなく。

・プレゼント送付先のご住所・本名などは、
 当選された5名様にメールでおたずねしますので、
 記入の必要はありません。

・かならずご自分のメールアドレスからご応募ください。

締切は2014年1月6日(月)午前11:00。

写真集『エナガのねぐら』の発売予定日は12月16日です。
この本を読んでのご感想もいただきたいので、
締め切りをすこし先にいたしました。
※1名様に複数冊が当選することはありませんが、
 ご応募は期間中に何度していただいてもかまいません。
 (ご感想は何度でもいただきたいのです!)

※この募集は終了いたしました。
 たくさんのご応募ありがとうございました。


ご応募、お待ちしておりまーす。

また来週!

2013-12-27-FRI
まえへ    
いままでのエナガ
カワイイの条件をすべて満たす、
これがエナガです!
2012-03-20-TUE
つがいでデート
2012-03-27-TUE
巣作りスタート!
2012-04-03-TUE
春の嵐!
2012-04-10-TUE
カケスめ…
2012-04-17-TUE
三度目の巣作り。
2012-04-24-TUE
1号巣ヘルパー募集中!
2012-05-01-TUE
1号巣にやってきたヘルパーは
2012-05-08-TUE
今週もイロイロありました。
2012-05-15-TUE
巣造りのようす。
2012-05-22-TUE
ぎゅうぎゅう
2012-05-29-TUE
続・ぎゅうぎゅう
2012-06-05-TUE
新たに2家族!
2012-06-12-TUE
もう親離れの季節。
2012-06-19-TUE
二ヶ月ぶりのレポートです!
2012-08-21-TUE
写真集『エナガのねぐら』
発売します!
2013-11-29-FRI
今年の繁活レポート
2012-12-06-FRI
その後のエナガたち。 観察日
2012-12-13-FRI
北海道シマエナガ探索の旅・後編
2012-12-20-FRI
   
メールをおくる ツイートする ほぼ日ホームへ
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN