負け負け負け負け、たまに勝ち?

糸井重里

・みんなに「ある」とは言えないけれど、
 とても多くの人が持っていると思われる。
 もう、本能じゃないのに、本能に近いような欲望。
 それは、「勝利欲(かちたいよく)」だと思うんですよ。
 
 人は、とにかく「勝ちたがっている」。
 ほんとは「負けたままじゃいられない」なのかもしれない。
 ちょっとした言い争いでも、勝とうとするでしょ、本気で。
 「負けたら死ぬ病」とか、からかわれるような現象です。

 じぶんのことじゃなく、勝ちたがっていることも多い。
 スポーツの選手やチームを応援して、勝ちたがる。
 必死で勝ちたがる、負けたらどうにかなっちゃうくらいに。
 
 持ってるモノだとか、生まれた土地だとかについても、
 これまたとにかく「勝ちたがっている」。
 国と国の間や、宗教やイデオロギーがからんでくると、
 その「勝ちたがっている」が紛争にもからんでくる。
 
 博打でひどい目にあう人なんかも、もとはといえば
 「負けたままじゃいられない」とか「勝ちたがっている」
 というところで、後に引けなくなったケースでしょう。
 
 ふつうに生きていて、人はあんまり勝ってないものですよ
 (お相撲さんだって、そんなに勝ってばかりはいない)。
 逆に「負けた」とか「足りない」を意識することばかりだ。
 そしたら、なにかしらで「勝っていないと身が持たない」。
 スポーツでもいいよ、推しのアイドルの大活躍でもいいよ、
 競馬で大勝ちするのでもいい、息子の少年野球でもいい。
 どこかで、なにかで「勝つ」ことでバランスをとりたい。
 そういうことなんじゃないかなぁ
 (これは、じぶんへの観察から導いた考えなんだけどね)。
 世の中のぼくたちは、いつもだいたい勝ってないから、
 「勝ち」をお金出したりしながら、買っているのかもよ。
 ただ、この感じ、女性の場合も同じなのかはわからない。

◆今日の質問no.090「勝ってることはありますか?」
 どうかな?考えて、よろしければメールで送ってください。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
本能じゃないけど、まるで本能みたいなことって、あるよね。