ヤオモテ、OK  矢沢永吉の新しい『ROCK'N'ROLL』
たぶん、ほぼ日刊イトイ新聞というのは、 ROCKな人たちが大集合するような 場所じゃないと思うんですけど、 永ちゃんの登場を待ってる人はとっても多い。 それは、永ちゃんのことばのなかに、 読む人を引っ張っていく強さと純粋さが たっぷり詰まっているからかもしれない。 2009年、自分のレーベルを立ち上げ、 4年ぶりのアルバムをリリースする永ちゃん。 たとえば「ヤオモテに立つ理由」について、 盟友、糸井重里と語り合う。

予告編 予告編ムービー 2009-07-31
第1回 もうノンストップよ、いま。 2009-08-05
第2回 自分が飽きないものがOK。 2009-08-06
第3回 リスナーってどのへんで聴いてんだ? 2009-08-07
第4回 なんでオレが矢面に? 2009-08-10
第5回 女王アリになりたかったよ。 2009-08-11
第6回 会社、大っきらい! 2009-08-12
第7回 また、押し出されて、こうしてる。 2009-08-13
第8回 ‥‥できるんだよ。 2009-08-14
第9回 社長になんなさい。 2009-08-17
第10回 それでいいんじゃないっすか? 2009-08-18
第11回 オレがいない世界。 2009-08-19
第12回 もう、とんでもないステージだったよ。 2009-08-20
第13回 いまの矢沢、ベストだもん。 今日の更新


第13回 いまの矢沢、ベストだもん。

矢沢 まぁ、でも、あれだね。
こうやって、いま現在も
まだまだ音楽でがんばれてるんだから、
それはうれしいよ。
糸井 永ちゃんが50歳になったころ、
「まだまだロックンロールでケツ振ってたい」
って言ってたんだけど、
そこからさらに10年経っちゃってるんだよ。
矢沢 そうね、あっという間に10年経ったね。
糸井 はやいねぇー。
矢沢 今度の、ドーム、来る?
糸井 行く、行く。
矢沢 絶対、観たほうがいいよ。
糸井 「観たほうがいいよ」って(笑)。
矢沢 観たほうがいい。
オレけっこうね、やる気だから。
糸井 「けっこうやる気だから」って(笑)。
永ちゃん、そういう自分のことばの
おかしさがわかってないんだよね(笑)。
矢沢 ん? 変?
でも、ほんと、オレけっこうやる気だから。
糸井 いいねぇ(笑)。
あのさ、『バーボン人生』っていう
永ちゃんの歌があるじゃない。
矢沢 はい、はい。
糸井 あのおじさんは何歳なんだろうねって、
いま思うんだよ。
若いときの永ちゃんはさ、
たとえば60歳ぐらいだと思って
歌ってなかった、あれ?
もう、その年齢になっちゃってるんだよ。
矢沢 そうだねぇ…。
でも、おもしろいのはね、
『長い旅』だってそうじゃない?
そういう歌、けっこうあるんだよ。
糸井 ああ、そうだね。
歳とった歌、けっこう歌ってるね。
矢沢 だから、若いときにね、
オレ、言われたことあるもん。
「永ちゃん、もう引退するんですか」って。
「なんで」って言ったら、
渋い歌、いっぱい書いてるから。
キャロルが終わって、ソロになったころ。
糸井 急にタキシードのジャケットになってね。
矢沢 そう、渋い歌をいっぱい書いたの。
もうね、28、29のときにね。
で、いまこの歳になって、
『バーボン人生』なんかを歌うと、
バカいいのね。
糸井 いいだろうねぇ(笑)。
矢沢 あの作詞家は、
どっからあの詞が出たのかね。
まだ、矢沢が27ぐらいのときの歌だからね。
サンキューだよ。
もういまの矢沢、ベストだもん。
だから、まぁ、そういう意味でいえば、
昔の曲でもいい歌はいっぱいあるし。
糸井も、また詞書いてよ。
糸井 ああ、うん。頼まれればやるよ。
矢沢 ねぇ。
糸井 ただ、いまの時代って、男の詞が難しいんだよ。
なんていうのかな、問題が見えないんだよ。
矢沢 うん。いま、見えないね。
糸井 だから、今度のアルバムでも、
作詞家の人たちは、そうとう苦労してて、
ある意味、開き直って書いてると思う。
矢沢 そうだね。
そう言った意味じゃ、
いま言ってくれたように、
今回の『ROCK'N'ROLL』っていうアルバム自体、
開き直ったつくりになってると思う。
糸井 うん、そう思う。ひと回りしてね。
けど、うれしいのは、
ぜんぜん「終着点」って感じがしないことで。
この先がまだまだありそうな気がするというか、
この新しい「ロックンロール」の
つぎがあって、またそのつぎがあってって、
またひと回りしそうな気がするんだよね。
矢沢 ああ、それはうれしいね。
糸井 ライブが似合いそうなアルバムだし。
矢沢 うん。ドームも武道館もやるし、
夏は、フェスもやるから、遊びに来てよ。
糸井 うん。
矢沢 今日は、ありがとうございます。
ほんとに。
糸井 また意味もなくいろいろ会いましょう。
矢沢 これねぇ、ぼくは、思うんだけどね。
いまのこの時期、取材って、
やたらめったら受けてるんだけど、
その中でイトイ新聞っていうのは、
やっぱり、ぜんぜん、違うね。
いや、これ、お世辞じゃなくてね。
糸井 (笑)
矢沢 ほんと、ほんと。ぜんぜん違うね。
糸井と矢沢がこう座ってしゃべると、
なんかねぇ、取材じゃなくなっちゃうのね。
一同 (笑)
糸井 そーだね、取材じゃない。
矢沢 そこにね、なんかね、
他の媒体じゃ絶対に出し得ない
なにかがあるんだろうね。
いや、どうもありがとう。
また、会いましょう。
糸井 じゃーね。
(矢沢永吉さんと糸井重里の話はこれで終わりです。
 ご愛読いただき、どうもありがとうございました!)



このムービーのURLはこちら https://www.youtube.com/watch?v=VoYT_3gc5HQ

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2009-08-21-FRI

HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN